肺気胸により第4戦欠場の野尻智紀、現時点ではチームに帯同の意向。復帰は早くてスーパーGT第3戦か

2023年5月19日(金)19時5分 AUTOSPORT web

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦を翌日に控えた大分県のオートポリスに、衝撃が走った。2連覇中の王者・野尻智紀(TEAM MUGEN)が体調不良により欠場──。午後からパドックをかけて巡っていた噂は、夕方、チームからの発表により現実のものとなった。


 チームの田中洋克監督は、「本当に今日、急な話でした。私が(熊本)空港に着いたら『ちょっと体調が悪く、息苦しさがあるので病院に行ってきます』と連絡がありました」と経緯を説明する。


 関係者の話を総合すると、野尻は九州への移動日だった木曜日から体調が芳しくなかったようだ。病院での診断は肺気胸。基本的には安静を保ち、肺に空いた穴が自然に治癒するのを待つしかない。軽度であれば、1週間程度で治る例もあるという。


 第4戦の代役は、2021年にチーム(Red Bull MUGEN Team Goh)からスーパーフォーミュラへ参戦経験のある、大津弘樹に決まった。基本的にはホンダ陣営のリザーブというポジションだったこともあるが、「我々としても過去に一緒に仕事していたドライバーなので、(大津の起用が)いいなと考えました」と田中監督。大津は急ぎ、オートポリスに向かっているところだという。


「本当は野尻が乗れれば一番良かったのですが、こういう状況では仕方がありません。このオートポリスもどちらかといえば高速サーキットですので、そこでのしっかりとデータをとって、次戦以降に繋げらたらと思います」と田中監督は今週末のアプローチを語る。

1号車のエンジンカウルからは、すでに『野尻智紀』というネームマーキングが外され、代役の大津弘樹を迎え入れる準備が進められていた


 なお、野尻は病院を受診後、午後にはサーキットに姿を見せていた。


 関係者によれば、現時点では土日もチームに帯同したい意向を本人は持っているという。ただし、「普通にしていれば問題ない、とは言っていましたが、安静にしていて欲しいので、何かあったらすぐに帰ってもらってもいいかなと考えています」(田中監督)と、チームとしては決して無理はさせない方針だ。帰路についても、気圧の影響を避けるため、空路ではなく新幹線を利用することになるようだ。


 3連覇をかけて臨んだ今シーズン、第2戦で勝利を挙げ、ランキングトップには立っているものの、前戦鈴鹿では大湯都史樹(TGM Grand Prix)との接触もあり、決勝ではノーポイントに終わっている。これで第4戦の無得点も確定することになってしまったが、確実に体調を戻して万全の状態で戦線に復帰することが、タイトル戦線にとどまるカギとなりそうだ。


 すでにスーパー耐久・富士24時間の欠場もアナウンスされ、復帰戦は早くてもスーパーGT第3戦鈴鹿となる。スーパーフォーミュラ、スーパーGT、そしてインタープロトと、ここまでハードなスケジュールが続いていた野尻。早期の、そして確実な回復を願うばかりだ。


 急遽の欠場、代役の調整など、慌ただしい様子が見られた走行前日のTEAM MUGENのピット裏だったが、夕方以降、多くの関係者やドライバーが野尻の状況を心配し、確認しに来る光景が見られたのが印象的だった。





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