阿武松部屋の元幕下・益湊が引退 力士生活11年「人として成長させてもらった」今後は地元・船橋で飲食業

2025年5月28日(水)17時22分 スポーツニッポン

 日本相撲協会は28日、夏場所限りで引退した力士を発表した。既に発表されている元小結・北勝富士(32=八角部屋)、4月14日に外陰部壊死性筋膜炎で33歳の若さで死去した序二段・若戸桜(式秀部屋)の他に、幕下以下9人の引退が新たに発表された。

 西序二段56枚目の益湊(ますみなと、29=阿武松部屋)は、3勝4敗で最後の場所を取り終えた。3勝3敗で迎えた13日目の7番相撲、積極的な攻めを見せるも名島(19=湊部屋)に上手投げで惜敗して有終の美は飾れず。部屋の千秋楽パーティーで断髪式が行われた。

 千葉県船橋市出身の益湊は、阿武松部屋が主催する相撲教室「キッズ阿武松」に小学生の頃から通い、千葉・拓大紅陵高を経て阿武松部屋に入門。2014年夏場所で初土俵を踏んだ。幕下昇進までに8年を要し、2020年頃からは膝や足首のケガで毎年のように手術を繰り返して「常に引退と隣り合わせだった」という。「お世話になった人に会う度に、もう一度頑張ろうと思った」と気力を振り絞って現役を続けてきたが、2023年九州場所の頃に左上腕三頭筋を断裂。「今まで膝と足首だったけど上半身もケガして、これ以上強くなれないと思った」。その後は思うような相撲が取れず、休場も続いて一時は序ノ口まで転落。今年夏場所は最後の場所と決めて臨んでいた。

 力士生活11年間で一番の思い出は、西三段目26枚目だった2021年初場所で元十両・高立と対戦したこと。拓大出身で4学年上の高立とは拓大紅陵高時代から稽古をつけてもらうなど交流があり「ずっとかわいがってもらっていた」という。「負けたけど全部出し切れて、憧れの人と当たれるのはうれしかった」と振り返った。入門時の師匠は、元関脇・益荒雄の先代阿武松親方。審判部長時代に益湊は付け人を務めており「毎日が勉強だった。人として成長させてもらった。メンタルを鍛えてもらった」と感謝した。

 今後は、地元の千葉県船橋市で飲食関係の仕事に就く予定。部屋でちゃんこ番を務めた経験を生かして第二の人生を歩んでいく。

 ◇益湊 遥太(ますみなと・ようた)本名=滝口遥太。1995年(平7)6月13日生まれ、千葉県船橋市出身の29歳。キッズ阿武松で小4から相撲を始め、千葉・拓大紅陵高に進学。3年時に関東大会無差別級16強。阿武松部屋に入門し、2014年夏場所で初土俵。2019年春場所、本名の「滝口」から「益湊」に改名。2022年秋場所、初土俵から8年かけて幕下に昇進。同場所の東幕下57枚目が最高位に。通算成績216勝207敗32休。身長169センチ、体重144キロ。

スポーツニッポン

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