清水隆行氏、巨人のフリー打撃は正しいプロセスで打撃を考えることを養う意味もあるのでは
2025年5月30日(金)5時5分 スポーツ報知
打撃練習の内容から改革した阿部監督
巨人が、選手に試合前のフリー打撃で低いライナーを打つよう指示しているという。聞けば21日の阪神戦前の練習から実施したそうだが、岡本が負傷した翌日の7日の阪神戦から20日までの11試合で2ケタ安打は2試合のみ。7試合が3得点以下という状況で、チームとして「何か変えていこう」とした中の一つだと思う。
フリー打撃は、選手それぞれのチェックポイントを確認する時間だ。私も現役時代は、その時の状態に応じて打球の質や打つ方向を気にしていたが、常にドライブする打球は打ちたくないと考えていた。ドライブするということは、バットが外から入っているということ。内側から出すことを意識していた。ライナーも同様で、ドライブ回転する打球を力任せに打っては意味がない。上からたたくというわけではなく、インパクトの瞬間にバットのヘッドでボールを押さえつける感覚の意識付け、インサイドアウトのバットの軌道を徹底させたかったのだろう。
ただ、フリー打撃は言わば打撃投手が“打たせてくれる”もの。そこである程度、打球の質をコントロールができないと、試合で実現することは難しい。そこで「こういう打球を飛ばすためにはどうするべきか」という正しいプロセスで打撃を考えることを養う意味もあるのではないか。(野球評論家・清水 隆行)