WTCR:2020年改訂版カレンダー発表。アドリア追加の欧州限定全6戦で開催

2020年6月1日(月)16時55分 AUTOSPORT web

 開幕が延期されているWTCR世界ツーリングカー・カップも2020年の改訂版カレンダーを発表し、ヨーロッパ域内の開催国に限定した変則スケジュールの全6戦を決定。最終戦は11月開催、イタリアのアドリア・インターナショナル・スピードウェイが務めることがアナウンスされた。


 世界的な流行が続いている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の余波を受け、あらゆるモータースポーツカテゴリーが大規模集客を必要とするスポーツイベント自粛の要請で開催延期を続けるなか、各カテゴリーがシリーズ再開に向け改訂版シーズンカレンダーの策定を進めている。


 現在、TCRツーリングカー最高峰の選手権に位置づけられるWTCRも例外ではなく、早期再開の道筋を模索してきたが、最終的な結論は中国や日本、そしてマカオを含む欧州域外のアジア・ラウンドを削除し、欧州圏内限定でのカレンダーを採択する形となった。


「このCOVID-19パンデミックがどのように進行し、その状況によって各国政府がどのような政策判断を下すかの明確な可視性がない状況下で、我々のWTCRシリーズを保護し、すべての関係者の仕事を保護し、このスポーツ自体を保護するために、できるだけ多くのレースを実行することが常に優先された」と語るのは、WTCRプロモーターであるユーロスポーツ・イベント代表のフランソワ・リベイロ。


「そのため、ヨーロッパ域内以外でのレースを実施するには、イベント開催可否の確実性を得るのが非常に困難な状況であるとの認識に至ったんだ」


 新たな開幕戦に指定されたのは、9月12〜13日開催のオーストリア・ザルツブルクリンクで、9月25〜26日予定の第2戦ドイツ・ニュルブルクリンクは、こちらも日程変更となった24時間耐久レースの週末に組み込まれる形となる。


 続く10月はバック・トゥ・バックのラウンドが予定され、10月第2週にスロバキアリンク、第3週にハンガロリンクの東欧ラウンドを開催。11月に入りスペインのモーターランド・アラゴンが第5戦を務め、11月14〜15日のアラゴンが新たなシーズンフィナーレを担う。


 この全6戦で計16レースを予定し、オーストリア、ドイツの開幕2戦は2ヒート制を採用、残る4ラウンドは各イベントごとに週末3ヒートの開催を目指している。


「その開幕2戦を除き、すべての週末で2回のフリープラクティス、3回の予選と3度の決勝レース実施を予定している」と、説明を続けるリベイロ。


「当初計画の全10戦予定から6戦へと削減されたことで、ほとんどのイベントで週末3ヒートのフォーマットへと戻すこと(注:コスト削減のため2020年より2ヒート制を予定)が必要になった。これはシリーズがスポーツとしての信頼性を維持し、グローバルな放送パートナーの要件を満たすために決断したものだ」

9月12〜13日開催のオーストリア・ザルツブルクリンクが新たな開幕戦に指定された


■アジア・ラウンドはキャンセルされるも、2021年の復帰に向けて調整が続けられる


「それでもほかのシリーズとは異なり、WTCRは非常に幸運な立場にある。スプリント・スタイルの形式により、週末に最大3レースのスケジューリングが実現可能なんだからね。また、開幕前の公式プレシーズンテストもキャンセルすることで合意を得ている」


 WTCRの“ワールドカップ・ステータス”は、FIAの規律的に複数大陸でのレースを必要とするが、FIAのツーリングカー部門はCOVID-19パンデミックに則して規制を迅速に修正し、欧州域内のみでの開催でも限定的にワールドカップの形態を維持する形となった。


「FIAとジャン・トッド代表は、急速に拡大する前例なき世界的伝染病への対応策として、非常に協力的な動きを示してくれた。我々にとって、この支援はとても有意義で感謝に値するものだ」


「また、スポーティングレギュレーション修正に尽力してくれたFIAツーリングカー・コミッションにも感謝の意を捧げたい。それらはこの改訂版カレンダー策定に大きな効力を発揮し、すべての週末に適用されることになる」


 また世界的な渡航制限により、チームのコスト面も考慮し断腸の思いでキャンセルしたアジア・ラウンドに関しては、2021年のシリーズ復帰を見据えて引き続き調整を続けていくとした。


「アジアでのイベントはWTCRの成功にとって極めて重要であり、中国、マカオ、マレーシア、韓国でのイベントに加えて、ホンダ、ヒュンダイ、Lynk&Coのサポートと理解にも感謝する」と、謝意をのべたリベイロ。


「もちろん、我々は自分たちの人生が正常に戻ることだけを望んでいるが、同時に賢明な態度でいなければならない。アジア・ラウンドの延期やキャンセルの決定をさらに6月末まで遅らせれば、WTCRだけでなくほかの多くのイベントとの膨大な量のリスケジュールが必要になる。シーズン後半の欧州戦にも代替スロットの可能性は残されていないんだ」


 この決定により、マカオGPはWTCRイベントを除いて地元シリーズやGTを中心としたイベントとして、今後の開催可能性を検討していくこととなる。

世界的情勢ながら、ホンダ、ヒュンダイ、Lynk&Coなど、アジアのマニュファクチャラーやファンには残念な決定となった


■WTCR世界ツーリングカー・カップ2020年カレンダー改訂版


ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 9月12〜13日 オーストリア/ザルツブルクリンク
Rd.2 9月24〜26日 ドイツ/ニュルブルクリンク
Rd.3 10月10〜11日 スロバキア/スロバキアリンク
Rd.4 10月17〜18日 ハンガリー/ハンガロリンク
Rd.5 10月31〜11月1日 スペイン/モーターランド・アラゴン
Rd.6 11月14〜15日 イタリア/アドリア


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