総合3&4番手発進のトヨタ。暑さの中でGR010ハイブリッドのセットアップを進める/WECポルティマオ初日

2021年6月12日(土)13時57分 AUTOSPORT web

 6月11日、WEC世界耐久選手権の第2戦ポルティマオ8時間レースのフリープラクティス1回目が行なわれ、トヨタGAZOO Racingのル・マン・ハイパーカー、『トヨタGR010ハイブリッド』は8号車が総合3番手、7号車が総合4番手タイムをマークし、初日唯一のセッションを終えた。


 5月1日に開幕戦として開催されたスパ・フランコルシャン6時間レースで、ハイパーカー時代の記念すべき初勝利を挙げたトヨタは、LMP1マシンで参戦するアルピーヌに加え、このラウンドから新たなライバルとしてスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスを迎え、戦うことになった。


 そんななか迎えたFP1のセッションは、LMP2のJOTA38号車オレカが1分33秒752でトップタイム。0秒029おくれでアルピーヌの36号車が続いた。


 開幕戦を制したトヨタ8号車のセバスチャン・ブエミ中嶋一貴/ブレンドン・ハートレーがトップと0秒048差の3番手、ディフェンディング・シリーズチャンピオンの7号車マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスはトップと0秒055差で4番手につけた。


 チームは2012年にWECプロジェクトを開始して以来、ポルティマオでは定期的にテストを行なっており、昨年12月のGR010ハイブリッド初のフル走行テストもポルティマオで行なわれていた。しかし12月のテスト時に比べると当然路面温度は高くなり、この日は約50度に達した。


 GR010ハイブリッドは車両セットアップや制御系のセッティングを改良、さらに大会前に設定された新たなBoP(性能調整)への対応作業も行なう必要があった。


 FP1では他車のアクシデントによるフルコースイエローに阻まれる場面もあったが、チームは決勝レースに向けた最適化に取り組み、暑いコンディション下でのタイヤのパフォーマンス・摩耗の確認なども行なった。


■「予選も決勝も大きなチャレンジになる」と中嶋一貴


FP1前、トラックウォークに臨むトヨタGAZOO Racingのクルー

「良いレースウイークのスタートを切ることができ、クリーンなセッションでした」と7号車の可夢偉はコメントしている。


「チームはしっかりとクルマを準備してくれたので、今日のセッションはまったくトラブルなく、多くのデータを収集できました。まだ決勝レースへ向け改良するためにすべきことは多いですが、ポジティブなスタートが切れましたし、ここまではすべてに満足しています」


 コンウェイは12月のテスト時とのコンディションの差について言及し、「セットアップはこれまでとは違うものが求められるだろう」と述べている。

トヨタGAZOO Racing7号車の小林可夢偉とホセ・マリア・ロペス


 セッション終盤のコースインにおいて、フルコースイエローの影響を受けたという8号車の一貴は「自分自身は、あまり多くの周回をこなすことができませんでした。個人的にはまだフィーリングをつかむまでには到っていません」とコメントしている。


「セバスチャンとブレンドンによれば、路面温度により、タイヤの感触がかなり違うようです。これから車両の最適化を進める必要がありますし、まだまだ学んでいる最中です。路面コンディションが僕らにとって良い方向へと改善してくれることを願っています」


「コース上のトラフィックはかなり厳しいでしょうし、予選も決勝も、我々にとって大きなチャレンジとなるでしょう」


 同じく8号車のハートレーは、「バランス面でまだ少し改良の必要がある」とコメントしている。


「この週末は路面温度が非常に高く、タイヤの選択が難しそうだ。また、コース上のトラフィックも難敵で、それがこの週末の鍵になると思われる」


 ポルティマオでのレースウイーク初日を終えたチームは、12日(土)にも2度のプラクティスセッションを走ったあと、18時20分(日本時間26時20分)から行なわれる予選に挑むことになる。

トヨタGAZOO Racing8号車の中嶋一貴とブレンドン・ハートレー

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