クプラ導入クレメンテが連勝。アルファロメオ回帰のオリファントも勝利/TCRオーストラリア第3戦

2023年6月16日(金)18時9分 AUTOSPORT web

 南半球を代表するナショナル選手権として活況を呈するTCRオーストラリアの第3戦が、6月9〜11日にウイントン・モーターレースウェイで開催され、週末3戦で3名の異なるウイナーが誕生。新車を投入した前戦でシリーズ初優勝を飾ったマイケル・クレメンテ(カール・コックス・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、勢いを維持してレース1でのポール・トゥ・ウインを達成。


 そして昨季までWTCR世界ツーリングカー・カップでシアン・レーシングが走らせていたリンク&コー03 TCRを入手した元BTCCイギリス・ツーリングカー選手権ドライバーのトム・オリファント(アシュリー・シュワード・モータースポーツ)は、事情により急遽、旧車のアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCRを引っ張り出す状況に陥りながらも、レース2で豪州初勝利をマーク。最終ヒートでは選手権首位のベイリー・スウィーニー(HMOカスタマー・レーシング/ヒョンデi30 N TCR)が大差での勝利を収めている。


 フランスでは記念すべき第100回大会となるビッグイベントが開催されたこの週末。豪州大陸を代表するRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで念願のシリーズタイトルに挑んでいる好調コカ・コーラ・バイ・エレバスのウィル・ブラウン(メルボルン・パフォーマンスセンター/アウディRS3 LMS 2)は、所属するエレバス・モータースポーツに帯同して「NASCARでの事実調査任務」のため、ソノマ・レースウェイで開催のNASCARカップシリーズ第16戦『トヨタ/セーブマート350』を視察すべく、ウイントンでのTCR戦を欠場することとなった。


「レースの知識を広げ、チームやドライバー、そしてNASCARの面々が週末に向けどのように準備して走っているのかについて、新たな洞察を得るべくアメリカに向かうことに興奮している」と語った初代TCR王者のブラウン。


「TCRのウイントン・ラウンドを欠場するのはとても残念だが、TCRの世界ランキングを上げるため、できる限り多くのポイントを獲得したい。そのためにもシーズン残り4ラウンドで強くなって戻ってくるつもりだ」


 一方、前戦フィリップアイランドで新たな機材を導入したアシュリー・シュワード・モータースポーツ(ASM)陣営だったが、チームは新型リンク&コー03 TCRの部品供給に問題を抱えたため、長年走らせてきたジュリエッタを再投入する必要に迫られた。

RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで快進撃を続けるウィル・ブラウンは、NASCAR視察のため欠場に
世界的DJのカール・コックス率いるカール・コックス・モータースポーツ所属のマイケル・クレメンテ(カール・コックス・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、前戦に続く勝利を飾った
アシュリー・シュワード・モータースポーツは急遽、旧車のアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCRを引っ張り出す状況に


■クプラを駆るクレメンテがレース1優勝も、レース3でクラッシュ


「前回のレース以来、テスト中にクルマは非常に大きな進歩を遂げており、それをウイントンで披露したいと全員が熱望していた。そのため明らかに理想的な状況ではないね」と語るのは、チーム代表のアシュリー・シュワード。


「ただし、グローバルサプライチェーンの現状における物流の課題を、我々としても充分に認識している。あらゆる選択肢を使い果たした現在の状況において、ジーリーグループ・モータースポーツから受けたサポートに感謝している。我々は今週末も前進し続け、次のラウンドでリンク&コーに戻ることを楽しみにしている」


 こうして始まった週末は、世界的DJのカール・コックス率いるカール・コックス・モータースポーツ所属のクレメンテが、新車での好調なスタートを維持して予選で印象的な走りを披露。ラップレコードを更新してのポールポジションを射止める。


 2回目の週末を迎えたクプラはレース1でも強さを発揮し、後方から迫る2台のヒョンデを封じ込めての“ライト・トゥ・フラッグ”を達成。2位のスウィーニーに続き、最後の最後でジョシュ・バカン(HMOカスタマー・レーシング/ヒョンデ・エラントラN TCR)を逆転したザック・ソーター(チーム・ソーター・モータースポーツ/アウディRS3 LMS 2)が表彰台に上がった。


 明けた日曜午前開催のレース2では、前日に予選ポジションより順位を落とし、10位フィニッシュとなっていたオリファントがリバースグリッドの好機を活用。最前列発進を決めたアルファは、オープニングで初参戦クレイ・リチャーズ(メルボルン・パフォーマンスセンター/アウディRS3 LMS)の挑戦を退けると、そのまま18周をマネジメント。レースウイーク直前に苦渋の決断を強いられたイギリス出身ドライバーは、旧型モデルで望外のシリーズ初勝利を手にした。


 続く最終ヒートのレース3は、首位を行くスウィーニーとバカンのヒョンデ艦隊の背後で激しい鍔迫り合いが演じられ、クラッチトラブルからの修復を経て戦列復帰したクレメンテのクプラが、バトルの余波でソーターのアウディと絡み、サーキット左サイドのコンクリート壁に衝突。豪州初上陸から連勝を飾った新型モデルがクラッシュの結末を迎えてしまう。


 これで楽な展開となったスウィーニーが大差をつけて勝利を収め、約20秒後方でバカン、ソーターが続け様にフィニッシュラインを通過する結果となった。続くTCRオーストラリアの第5戦は、8月11〜13日にクイーンズランド・レースウェイで開催される。

それでもアルファを手なづけたトム・オリファント(アシュリー・シュワード・モータースポーツ)が、レース2で豪州初勝利をマークした
最終ヒートでは選手権首位のベイリー・スウィーニー(HMOカスタマー・レーシング/ヒョンデi30 N TCR)が大差で勝利。ザック・ソーター(チーム・ソーター・モータースポーツ/アウディRS3 LMS 2/左下)も表彰台に上がっている
荒れた展開となったR3では、前日勝者クレメンテのクプラがまさかのアクシデントに遭遇し、大きなダメージを負ってしまう

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