燃料電池レースカー開発の『ミッションH24』がミシュラン、シンビオとパートナーシップを締結

2020年6月17日(水)17時46分 AUTOSPORT web

 ミシュランとシンビオというふたつのフランス企業が、エナジー大手のトタルに続き『ミッションH24』の新たなパートナーとなったことが発表された。


 ミッションH24はル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブと、水素燃料電池車開発ベンチャーのグリーンGTによる共同プロジェクト。同プロジェクトでは“H24レーシング”が立ち上げられ、2024年のル・マン24時間レースで、燃料電池車クラスによるレースが実施することを目標にFCVレースカーの研究・開発が行われている。


 6月13〜14日にオンラインで実施された耐久eレース『ル・マン24時間バーチャル』にもペースカー兼セーフティカーとして登場したミッションH24の開発車両『グリーンGT LMPH2G』は、これまでに複数回サーキットで走行テストを実施。2019年には第87回ル・マン24時間レースのスタート直前に、サルト・サーキットのフルラップ・デモ走行を成功させている。


 そんなLMPH2Gは、世界的タイヤメーカーであるミシュランと、自動車部品サプライヤーのファルシアとミシュランの合弁会社であるシンビオを新たなパートナーに迎え、エナジー大手のトタルと合わせた3つのフランス企業を象徴するカラーリングをまとうことになった。


「ミッションH24は、エネルギーの移行と脱炭素化されたモビリティのために働く野心的な先駆的なプログラムだ」と語るのはACOのピエール・フィヨン会長。


「トタルに加え、シンビオを介してミシュラングループがプロジェクトに加わることで、2024年のル・マン24時間レースで水素駆動プロトタイプの専用カテゴリーが作成され、レースに燃料電池車を導入するために進行中の研究が加速するだろう」

水素燃料電池車(FCV)は搭載した水素と空気中の酸素を使ってフューエルセルで電気を作り出し、モーターで動力を得る。排出するのは水のみ。


 グリーンGTとミッションH24の代表を務めるクリストフ・リカードは、新たなパートナーを迎えたことに対し次のように述べた。


「我々と同じように、トタルとミシュランは(この分野における)技術的なパイオニアだ」


「グリーンGTとACOが共同で始めたミッションH24プログラムにとって、国際的なベンチマークである企業とエネルギー転換のビジョンを共有することは不可欠だと考えている」


 シンビオのファビオ・フェラーリCEOは「自動車レースは水素システムの技術的な限界を推し進める素晴らしい研究室であると同時に、このゼロエミッション・モビリティに対する一般の人々の意識を高めるための非常に効果的な旗手でもある」とコメント。


「したがって、シンビオのチームはこの野心的なプログラムに参加できたことを二重に誇りに思っているんだ」と続けた。


 世界的なフランス企業が続々と輪に加わっていくミッションH24。プロジェクトは2020年も継続され、今後はLMPH2Gのパフォーマンスの微調整を目的とした一連のトラックテストが行われるという。また、H24レーシングでは昨年と同様に、ACOが主催するミシュラン・ル・マン・カップに水素燃料電池プロトタイプカーをエントリーさせる予定だ。

パートナーにミシュランとシンビオを加え、新たな装いとなったグリーンGT LMPH2G。ベース車はLMP3カーだ。


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