「めちゃくちゃバランスが良かった」谷繁元信氏&石井琢朗氏が語る98年の「最強横浜」の真実

2023年6月17日(土)11時0分 ココカラネクスト

現在はDeNAでチーフ打撃コーチを務める石井氏(C)CoCoKARAnext

 25年ぶりのリーグ優勝へ向け、交流戦も首位争いを繰り広げるなど今季は多くの解説陣が優勝候補に挙げるDeNA。そんな注目チームの「最後の優勝メンバー」である谷繁元信氏と石井琢朗氏が昨年、YouTubeチャンネル「名球会チャンネル」にて、当時のチームの秘話を明かしている。

 DeNAが最後にリーグ優勝を果たしたのは、1998年の横浜ベイスターズ時代。両氏ともに「最強だった」と口を揃える当時のチームで、特に象徴的だったのが「マシンガン打線」だ。

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 谷繁氏が「めちゃくちゃバランスが良かった」と話す当時の打線が以下の通り。※()内はシーズン終了時点での打率

1番 石井琢朗(.292)
2番 波留敏夫(.298)
3番 鈴木尚典(.328)
4番 ローズ(.369)
5番 駒田徳広(.291)
6番 佐伯貴弘(.309)
7番 進藤達哉(.286)
8番 谷繁元信(.295)

「1、2番は足があっていろいろな動きができ、3番の尚典は広角に打てる。4番のローズは3割以上打つし、得点圏打率もめちゃくちゃ高い。駒田さんもバットコントロールがうまく、いやらしいバッティングをしますし、6番の佐伯もつかみどころのないようなバッティングをする。7、8番には僕か進藤さんが入りましたけど、僕ら2人で100打点近くあった。もう最強ですよね」(谷繁氏)

 このほか「最強守護神」の佐々木主浩氏をはじめとする投手陣の左右バランスも良く、代打には川端一彰氏や荒井幸雄氏が待機。まさに最強布陣といえる面子がそろっていた。

 また、打線だけでなく、堅守もチームにとって大きかったという。名遊撃手として知られた石井氏は、「守っていて楽しかった」と語るほど。その守備面では、キャッチャーの谷繁氏から送られるサインで動くだけでなく、ノーサインで対応したことも多かったという。

「ピックオフ(投手や内野手と連携してランナーを油断させ、キャッチャーが仕留めるプレー)はシゲ(谷繁)のサインで動いていましたね。外のボール球を要求したら、自分が早めにセカンドベースに入っておけば投げてくれるかなとかを考えて。そうしたらその動きを見てシゲが投げてくれるので、そこにサインが存在しないんですよね。守っていて楽しかったですね」(石井氏)

 優勝の前々年度まで6年連続でAクラス入りを逃しており、苦しい時期を耐えながらチームとして成長を重ねる中で、ついに掴んだリーグ制覇。谷繁氏も、「いつか絶対勝ってやる」という強い意志のもと、全員で強くなったと振り返るなど、反骨心の塊がこの優勝した年に現れたものでもあった。

 この年を最後に、12球団で優勝から最も遠ざかってしまっているDeNA。「OBや昔から応援するファンにも優勝を届けて欲しい」と谷繁氏が語る一方で、現在コーチとしてチームで戦う石井氏は、「正直優勝するならこの年という時期はすぎた。けど、また新しい戦力が出てきた中でどれだけ戦えるかにどう自分が入っていけるか。優勝を待ち望んでいるファンの事は重々承知。頑張ります」と口にしていた。

 果たして、今年こそ頂点の座を掴み取ることができるか。DeNAの戦いぶりに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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