後半戦に突入のインディカー。チャンピオン候補は4人に絞られる?

2018年6月21日(木)19時23分 AUTOSPORT web

 2018年インディカー・シリーズ17戦の折り返し点となる第9戦が終了した。全エントリーが新エアロキット装着となって、期待された通りに競争は激化。予選でポールポジションを獲得したドライバーはすでに7人を数え、レースでの優勝者も6人生まれている。


 しかし、タイトルを実際に争うのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、そしてスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の4人に絞り込まれていくだろう。

2017年のインディカー・チャンピオン、ジョセフ・ニューガーデン


 勝ち星もポールポジション獲得もふたつずつでチャンピオン候補のトップにいるのはニューガーデン。2017年、最強チーム入りした初年度にしてチャンピオンとなった彼は、今年も早々に2勝を挙げ、連覇に向けて一気に突き進むかと思われた。


 ところが勢いに乗っていたのは開幕4戦までで、その後の5戦ではトップ10を3回も外し、ランキングは5番手まで下がっている(289点)。今シーズンの残り8戦を見渡すと、去年彼が勝ったレースが3戦もある。チーム・ペンスキーは新エアロへの理解度でもトップレベルにあり、ニューガーデンはいつ3勝目を記録してもおかしくない状況。タイトルは十分に狙える。

伝統のロングビーチ戦を勝利したアレクサンダー・ロッシ


 ポールを2回獲得し、優勝を1回挙げているロッシは、ランキング3番手につけている(334点)。新エアロでオーバーテイクが至難と言われる状況で、もっとも多くのパスを実現してきているのが彼だ。


 フェニックスでの3位、インディ500での4位、テキサスでの3位、いずれも数々のスリリングなパスを見せてのものだった。リスクを顧みず、抜群のカーコントロールで相手をパスする能力は現在シリーズナンバーワン。


 まだ荒削りで、チャンピオンシップに向けたポイントを取りこぼした例もある。その最たる例がデトロイトのレース2で、トップ走行中にライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)に迫られ、その攻撃を封じ込めようとタイヤを酷使、白煙とともにコースオフし、悪くても2位のレースで12位フィニッシュとなった。


 しかし、スピードと勝利を強く追及する彼の姿勢を“若さ”と否定するべきではない。ロッシが今年タイトルを獲得する可能性は、決して低くない。


 今やコースを選ばずにトップレベルのスピードを見せるようになっている彼は、シーズン後半戦、今まで我々が見て来た以上の強さを誇示してライバルたちを打ちのめし、誰もが納得するカタチでチャンピオンになるとさえ考えられるのだ。アンドレッティ・オートスポートは、昨年手がけたエンジニアリング体制の強化が早くも大きな成果を見せ、ロッシを王座につける力を備えている。

インディ500ウイナーとなったウィル・パワー

 
 インディカーGPで勝ち、インディ500でも優勝。5月、そしてインディアナポリス完全制覇を成し遂げたパワーもチャンピオンの有力候補だ。デトロイトのレース2で“らしくない”しぶとさを見せて2位フィニッシュしたと思ったら、テキサスではルーキーと絡んでクラッシュ。


 ピットとの無線交信中でアウト側に並びかけたマシンの存在を知らせるスポッターの声が届かなかったためのアクシデントで、パワーのミスではなかったが、ポカや取りこぼしが彼に多いのは紛れもない事実だ。

テキサス戦の勝利で優勝回数は歴代3位となったスコット・ディクソン


 それでも歴代8位タイの34勝を挙げて来ている。2勝、1PPでランキングは3番手(321点)。念願のインディ500優勝で精神的余裕を手にした彼がドライバーとして大きく一歩成長し、2度目のチャンピオンシップ獲得を成し遂げる可能性は大きくある。


 第9戦テキサスで2勝目をマークし、ポイントリーダーに躍り出たのがディクソン(357点)。歴代3位の43勝を挙げてタイトル獲得4度。手堅さで彼の右に出る者はいない。


 今シーズンも9戦でトップ10を外したのは1回のみ。他はすべてトップ6でゴールしている。テキサスでの2勝目は豊富な経験とスマートさでライバル勢の一段上をいくタイヤマネジメントを披露してのものだった。ただし、そうした勝ち方ができるのも彼に生来のスピードがあり、チームと共に優れたマシンを作り上げているから。


 ソノマでの最終戦は今年もダブルポイント。最終戦までチャンピオン争いはもつれ込むにのはほぼ間違いない。そして、タイトルを獲得するにはソノマでの強さが重要だ。過去のウィナーは、2016、2017年がシモン・パジェノー、2007、2014、2015年がスコット・ディクソン、2010、2011、2013年がウィル・パワーとなっている。


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