高校通算138発・佐々木麟太郎の「最後の夏」でプロ球団が「見極めたいポイント」とは

2023年7月2日(日)13時32分 ココカラネクスト

佐々木擁する花巻東は、7月12日に盛岡市立−花泉の勝者と岩手大会の初戦を戦う(C)ACPHOTO

 岩手の怪物スラッガーがラストサマーを迎える。高校通算本塁打の最多記録を138本まで伸ばした花巻東の佐々木麟太郎内野手(3年)が夏の甲子園出場を目指し、順調なら7月12日に盛岡市立−花泉の勝者と初戦を戦う。

 春の県大会を制した花巻東は第1シード。昨夏覇者の一関学院や、盛岡大付といった強豪校は逆ブロックに入った。クジ運にも恵まれ、19年以来4年ぶりの甲子園出場へ期待が高まる。

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 佐々木は早くから今秋ドラフト1位候補の呼び声高いが、プロ野球スカウト陣の意見は割れているという。ケタ違いのパワー、遠くに飛ばす技術、野球に取り組む姿勢は申し分ないが、一方で140キロ以上の速球への対応力、守備が一塁に限定されること、巨漢でケガが多いことなどが評価を下げている理由だ。

 佐々木が2年春に初めて出場したセンバツ甲子園では、初戦で市和歌山の150キロ右腕・米田天翼と対戦し、4打数無安打だった。大会前に肩の手術を受けた影響もあったが、直球に差し込まれ「全国クラスの速い投手は打てない」という負のイメージを残した一戦でもあった。

 佐々木について、あるセ・リーグの球団スカウトは「高校生レベルの投手からいくら本塁打を打っても、速球に対応できなければプロでは通用しない。150キロ超えが珍しくなくなったプロでは時間がかかるのでは、という懸念がある。全国レベルの投手と対戦し、成長を見られれば」と3年最後のチャンスとなる甲子園出場を願う球団は多い。

 だが、逆の声も聞こえてくる。「佐々木のドラフト1位を決めている球団があると言われています。もし甲子園で活躍して評価が上がれば、1位競合の可能性が高まります。そういう球団にとっては、甲子園に出ないでくれたほうがありがたいでしょう。ただ岩手大会は毎年激戦で、簡単に突破できるほど甘くない。大谷翔平選手でも高校最後の甲子園に出場できなかったくらいですからね」(球界関係者)。

 水面下でさまざまなプロ球団の思惑がうごめくなか、佐々木にとって集大成となる夏の大会がいよいよ幕を開ける。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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