MotoGP:ホンダで苦戦するロレンソ。転倒の傾向から見えた悩みの原因

2019年7月3日(水)12時0分 AUTOSPORT web

 2019年シーズンからホンダに移籍しMotoGPを戦っているホルヘ・ロレンソ。しかし、ベストリザルトは第5戦フランスGPの11位と苦戦している。ロレンソが苦戦する原因はどこにあるのか。二輪ロードレース専門誌『ライディングスポーツ』が、ロレンソの転倒の傾向から分析する。


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 MotoGP第8戦オランダGPのフリー走行1回目(FP1)で、激しいクラッシュを喫し負傷したホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)はオランダGPでの負傷により欠場することになった。


 ロレンソはオランダGPの初日、FP1のコースイン3回目3周目に7コーナーでフロントからスリップダウン。グラベル上で激しく転がり、近隣の病院で検査を受けた結果、第6胸椎と第8胸椎の骨折が判明した。


 今シーズンよりレプソル・ホンダチームに加入したロレンソだが、ここまでのシーズンはマシンへの適応に悩み、ベストリザルトは第5戦フランスGPの11位と苦戦していた。

第7戦カタルーニャGPからロレンソのホンダRC213Vにつけられたタンク上部のパーツ


 第6戦イタリアGP後、ロレンソは日本へ飛び、HRC(ホンダ・レーシング)の開発陣とともにマシンのポジションパーツを開発。その効果もあり、第7戦カタルーニャGPではレース序盤、積極的にトップ争いに加わる走りを見せた。


 しかし、決勝レース2周目にトップ集団のなかで転倒。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)の3人を巻き込み、「まるでルーキーのような転倒」と非難された。


 カタルーニャGP翌日のオフィシャルテストでもロレンソは転倒を喫している。このときもフロントからのスリップダウンで、ハイスピードでの転倒だったため、マシンはグラベルを越えてタイヤバリアの上まで飛び、ロレンソ自身もエアフェンスに当たって止まるほどの衝撃を受けた。幸いにもこのときは骨折はなく、痛みを抱えながらもテストを続行した。

カタルーニャGP後に行われたテストでもロレンソはフロントからのスリップダウンで転倒を喫している


「カタルーニャは今シーズンで最もコンスタントなウイークだった。最終的な結果は、望んだものではなかったが、週末を通じて戦闘的になることができ、テストも含めてマシンの改良が進んだ。アッセンでもそれを繰り返したい」とオランダGPを前に語っていたロレンソ。


 マシンに対するマッチングが進み、攻めたライディングを取り戻したかにも見えたロレンソだったが、プッシュしたときの限界を見極めることがまだ困難なようだ。それがカタルーニャGP、オフィシャルテスト、オランダGPでの転倒の傾向に見てとれる。転倒はいずれもフロントからのスリップダウンで、フロントのフィーリングに悩みを抱えていることは間違いないだろう。

ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)


 もともとロレンソはコーナリングスピードでタイムを稼ぐタイプゆえ、フロントの信頼感があってこそ速さを発揮できるタイプのライダーだ。自信を持ったときのロレンソは手がつけられないほど速く、MotoGPクラスで3回、グランプリ通算5回のタイトルを獲得した経験を持つ。


 ロレンソは2週連続開催となる次戦のドイツGPも欠場することになり、サマーブレイク明けのチェコGPでの復帰をめざす。


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