【あなたは何しに?】フェリペ・マッサの元フィジオと再会。現在はF1昇格を目指す若手をサポート

2021年7月13日(火)16時27分 AUTOSPORT web

 F1第9戦オーストリアGPのパドックを歩いていたら、ここ数年F1で見かけていなかった人物にあいさつされた。見覚えのある顔だが、見慣れない装いをしていたことと、マスクをしていることもあって、なかなかその人物がだれか思い出せない。マスクを少しズラしてもらって、やっと思い出した。かつて、フェリペ・マッサのフィジオをしていたマテオ・オルシだ。


 イタリア人でもともとフェラーリに所属していたオルシは、マッサがフェラーリからウイリアムズへ移籍した際にマッサの個人フィジオとしてフェラーリを出たが、2016年限りでマッサがF1からの引退を発表したのにともなって、フェラーリへ戻っていた。その後、ニコ・ロズベルグの突然の引退によってマッサが急きょウイリアムズに復帰するも、オルシはフェラーリにとどまり、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA) の若手ドライバーたちの面倒を見ていた。そこで出会ったのが、周冠宇だった。


 その後、周が2019年にルノー・スポール・アカデミーに移籍したのにともない、オルシもフェラーリを離脱。周の夢を実現させるサポート役を担っている。その夢とは、もちろん、中国人初のF1ドライバーになることだ。


 第9戦オーストリアGPでは、その夢が半歩近づいた。それは周がアルピーヌF1から、フリー走行デビューを果たしたからだ。


 2012年(HRT)と2013年(ケータハム)に5回のフリー走行に参加したマー・チンホワ以来8年ぶり、ふたり目の中国人ドライバーとしてF1の公式セッションでステアリングを握った周。レースを走るわけでもないのに、フィジオを連れてきたのには、理由があった。それは、このフリー走行がスーパーライセンス獲得のために重要なセッションとなっていたからだ。


 周は今年、F1のレースに出場するために必要なスーパーライセンスポイントを手に入れるため、FIA-F3アジア選手権に参戦し、選手権1位を獲得。これでレースで走行するために必要な40ポイントのうち39ポイントを保持していた。今回のフリー走行に参加し、無事走行を終えたことで1点が加算され、40ポイントに到達した。


 フリー走行を終えた後、オルシに会うと、周以上にリラックスしていた様子で写真撮影に応じてくれた。初の中国人F1ドライバー誕生となるか。活躍を期待したい。

マテオ・オルシとアルピーヌ育成の周冠宇


 ちなみに、周本人に『周冠宇』の正しい発音を尋ねたら、「ジョウ・ガンユー」と答えてくれて、こう続けた。「日本では周が“チョウ”と言われたり、英語圏では“ゾウ”と言われることがあるんだけど、中国語でZHOUは“ジョウ”と発音するんだ」

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