「......ダサかった」「間違いがヒントに」「見つめ直す時間が作れた」【SF Mix Voices 第6戦予選(2)】

2023年7月16日(日)7時32分 AUTOSPORT web

 7月15日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権2023年第6戦の予選が行われ、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポールポジションを獲得した。


 予選後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、土曜フリー走行と予選に挑んだドライバーたちの声を、2回に分けてお届けする(前編はこちら)。


■佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING) 予選4番手


 今シーズンベストとなる4番グリッドを獲得した佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)。午前のフリー走行でも3番手タイムを記録するなど、今週末は走り出しから大きな手応えがあったという。


「フリー走行からクルマにアドバンテージがありそうだったので、Q1では確実に1周をまとめにいきました。ただクルマとしては足りない部分がまだあったので、そこも確認しながらでしたが、余裕を持って通過することができました」と佐藤。


 Q2に向けては「山本(尚貴)選手も調子がよくて、64号車側からのフィードバックも加味してセットアップを変更していったことがうまくいきました」と、さらにマシンを煮詰めていくことができた様子。「トップタイムには及ばなかったですけど、クルマとして良い仕上がりで4番手で終えることができました。今年ずっと課題としていた予選が少しずつ良くなっているのかなと感じています」と前向きな様子だった。


 TCS NAKAJIMA RACINGは6月に富士スピードウェイで行われた公式テストでも上位につける走りをみせていたが、佐藤にとっても収穫があったという。


「2日間のテストでセットアップやドライビング面で見つめ直す時間が作れました。今回に向けてドライビング面で変えたところがすごくうまく行っているので、それが結果に出て良かったです」


 明日の決勝は気温30度に達する予報が出ているが「気温が上がってダウンフォースが少なくなるとリヤタイヤが厳しくなってくると思いますが、その条件でみるとナカジマレーシングにはアドバンテージがあると思っています」と、佐藤は自信をのぞかせた。


「ここからスタートできることはすごくポジティブだと思います。戦略の幅も広がると思いますし、かなりチャンスだと思っています。明日のフリー走行でしっかりとロングランのセットを煮詰めて、優勝目指して頑張りたいです」

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)


■笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S) 予選16番手


 ジュリアーノ・アレジに代わって第6戦からVANTELIN TEAM TOM’Sの36号車に乗ることとなった笹原右京。午前中のフリー走行ではチームメイトの宮田莉朋に対し遜色ないタイムを記録していた。


「フリー走行では試したいことをいくつか試して、そのなかで良かったものと悪かったものをつかめました。順位とかパフォーマンスに関してはそんなに心配することなく予選にいきました」と笹原。


 予選Q1Aグループでのタイムアタックも特に問題なくまとめ上げ、1分23秒228を記録。ただライバルの方がわずかに上回っており0.038秒差でQ1敗退となった。


「Q1に向けてセットアップ面で少しやりすぎたかなと思ったところはありましたけど、大きく外した感じはありませんでした。アタックを終えて『これなら通っただろう』と思ったのですが、順位を聞いてびっくりしました」


「ホンダ勢が上位にいく結果になりましたが、フリー走行からそういう(調子の良さそうな)クルマがちょこちょこいたので、『もしかしたら……?』と予感はしていたのですけど、それが当たってしまいました。仕方ないです」


 スーパーフォーミュラの復帰戦は16番手と後方からのスタートとなるが、ちょうど1年前に同地で初優勝を果たした時も13番手から逆転しての勝利だった。


 笹原は決勝に向けて「後方からスタートするので、他の人にはできないようなチャレンジができればなと思っています。そういったことをやって、少しでも次につながるものを見つけられたらいいなと思います。少しでも上を目指してポイントは取りたいです。コツコツと追い上げていければなと思います」と笑顔でコメント。Q1敗退とはなったが、パフォーマンス面に関しては自信がある様子だった。

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)


■福住仁嶺(ThreeBond Racing) 予選12番手


 第4戦オートポリスから3戦連続で予選Q2進出を果たした福住仁嶺(ThreeBond Racing)。少しでも前のグリッドを目指して臨んだQ2では、タイムアタックに入ったTGRコーナーでブレーキをロックさせてしまいコースオフ。満足なタイムが出せないまま12番手でセッションを終えた。


「Q1は5番手で通ることができましたけど、トップと比べると差(0.378秒)がある状態でした」と福住。


「このままだと、また中途半端な順位で終わってしまうなと思って、Q2に向けてクルマをアジャストして行ったんですけど、自分のブレーキングミスでアタックすることができませんでした」


「ブレーキを少し踏みすぎたかなというところもありましたし、単純に気合いが入りすぎていました……ダサかったです」と肩を落としていた。


「チームには申し訳ないことをしてしまったんですけど、テストの時と比べると感触は良くなっていました。明日は課題であるロングランを少しでも良くできればなと思っています」と、決勝に向けて気持ちを切り替えるとともに、まずは課題の決勝ペースの克服に目を向けていた。

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Racing)


■平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 予選20番手


 ドライバーズランキング5位につける平川亮はこの第6戦で今季初のQ1敗退を喫し、20番グリッドから決勝のスタートを迎えることとなった。


 午前中のフリー走行では7番手タイムをマークしていた平川。FPそして予選を含めた土曜日について「FPは走り出しは良くなくて、そこからうまく立て直して、最後はそんなに悪くなく、感触としてはすごく良かったです」と振り返った。


 では、なぜQ1敗退となってしまったのか、その要因を平川は説明する。


「FP終盤で良くなったので『今回は行けるかな』と思っていたのです。でも予選Q1走ってみると、クルマのバランスが何か悪い。『何か変だな』みたいな。それでアタックに入ったのですけど、アタックもコースに留めるのが精一杯みたいなバランスで、ずっとおかしいと思っていました」


「それで、予選後に判明したのですけど、実は朝のFPの方のセットアップが間違っていたのです。それをよかれと思って直したらバランスが崩れた。だから、それはそれでヒントにはなりましたね」と平川。


 つまり、FPの際に平川が好感触を得たセットアップは、エンジニアが出したセットアップシートと異なる状態だった。それを修正したために、予選ではクルマのバランスが悪化してしまったのだ。


「もちろん、レベルの低いことをやっていたなという感じはしますけど、逆にいえばそういったところにこのSF23のヒントがあるのかもしれません」と平川。


「でも、あんなバランスで、あと0.2秒あればQ2に進出できたと考えると、トップを狙えないにしても、トヨタ勢のなかでは前の方に行けそうだと感じます。ただ、もう予選は終わってしまったので、明日の決勝で少しでも前でゴールできるように頑張ります」

2023スーパーフォーミュラ第6戦富士 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

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