「イノウエには誰も勝てない」伝説アラム氏が断言！ 井上尚弥の偉才を絶賛「目の前にいる相手を叩きのめす」

驚異的な強さとボクシングスキルを誇る井上。その異次元さにアラム氏も脱帽する。(C)Getty Images

　ボクシング界のありとあらゆる名勝負に携わってきた人物も、日本が生んだ“モンスター”が見せる異次元の強さには舌を巻く。

　激闘から約5日。いまだ話題となり続けているのは、7月25日に東京・有明アリーナで行われたタイトルマッチで、WBC＆WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者のスティーブン・フルトン（米国）を破った井上尚弥（大橋）だ。

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　戦前に「最強の相手」と恐れられた天才を井上は一切寄せ付けなかった。勝負を決めた8回のダウンシーンは、天性の守備スキルを持つフルトンが、全く交わしきれずに右ストレートと左フックを被弾する衝撃的なものだった。

　試合直後から世界中の賞賛を集め、メディアやファンのパウンド・フォー・パウンド予想においても「1位は確実だ」と断言された。そんな30歳の日本人が見せつけた圧倒的な強さには、伝説のマッチメーカーも脱帽している。7月28日に英専門メディア『Boxing Social』などの取材に応じたボブ・アラム氏は「イノウエには誰も勝てないと思うよ」と絶賛した。

　米興行大手『Top Rank』の言わずと知れた御大であるアラム氏。ゆえに自社と契約する井上を称えるのは必然とは言える。しかし、とかく人の入れ替わりの激しいボクシング業界で、長く現役を続ける男が、ここまで褒めちぎるのは異例と言えよう。

　モハメド・アリ（米国）に始まり、ジョージ・フォアマン（米国）、オスカー・デ・ラ・ホーヤ（米国）、フロイド・メイウェザー（米国）、マニー・パッキャオ（フィリピン）ら数多の名戦士たちの伝説的な試合を支えてきた。その確かな目を持つアラム氏からしても井上は異彩を放っているのだ。

「彼がモンスターであるのには理由がある。私が思うボクシング界で最も強力な3人のパンチャーは、イノウエ、アルトゥール・ベテルビエフ、そしてタイソン・フューリーだ。私はイノウエがパウンド・フォー・パウンドで彼らと争っていることを本当に幸運に思う。彼は余計なおふざけなんかしない。ただ目の前にいる相手を叩きのめすだけなんだ」

　そうとも井上を称えるアラム氏。91歳となるレジェンドの言葉には説得力がある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]