ポルシェFEチーム加入のダ・コスタ、JOTAでのポルシェ963ドライブを望む/WEC

2022年8月21日(日)8時10分 AUTOSPORT web

 タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのワークスドライバーとしてドイツのメーカーと契約したアントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、JOTAがWEC世界耐久選手権で『ポルシェ963』の走行を開始する来年に向けて、彼らと引き続き一緒に仕事をすることを「プッシュ」しているという。


 現在JOTAに所属し、ロベルト・ゴンザレス、ウィル・スティーブンスとチームを組みWEC LMP2のランキングトップを走るダ・コスタは、来シーズン、ハーツの支援を受けるポルシェLMDhでトッププロトタイプクラスに移行するために、この英国チームとの関係を継続することを希望している。


 今週初め、ダ・コスタは2023年のABB FIAフォーミュラE世界選手権を戦うポルシェ・ファクトリードライバーのひとりとして、DSテチーターから移籍しポルシェ陣営に加入することがアナウンスされた。


 ポルトガルのエースはフォーミュラEとWECのコミットメントを両立させることに慣れているが、同じ年にポルシェのふたつのファクトリープログラムを組み合わせることは難しいだろうと認めている。


 その代わりに、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツや他のLMDhおよびLMHメーカーのファクトリーチームとプライベータープログラムで戦うため、JOTAに留まりたい意向を示している。


「僕の意図しているところは、来年も(フォーミュラEだけでなく)WECにも参加することだ」と彼は言った。


「明らかにふたつの(プログラムの)ファクトリードライバーになることは不可能だと思うし、非常に難しいことだと考えている」


「だから、あそこ(ポルシェ)のファクトリーチームに入ることは不可能だと思うし、そうしたいとも思わない。なぜなら、そうすることでプログラムのひとつを少し妥協する必要があるからだ」


「僕はフォーミュラEで妥協したくない。フォーミュラEはシミュレーターや早めの移動(ほとんどのレースはフライウェイ・ラウンド)など、本当に多くの作業が必要で、アスリートやドライバーに“特別な注意”を必要とする。完全な状態で走るためにそれらが必要不可欠なんだ」

アントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、3シーズンにわたってポルシェのフォーミュラEドライバーを務めたアンドレ・ロッテラーの抜けた席を埋める。ロッテラーはポルシェの耐久ワークスドライバーに選ばれている


■「レース中毒だからできる限りレースをしていたい」


 ダ・コスタはWECでのフルシーズン、とくにプライベーターチームでのシーズンではチャンピオンシップの要求が異なるため、その“特別な注意”はあまり必要ないことを示唆した。


「でもWECでは違うと思う。仕事量や要する才能が少ないというわけではなく、ちょっとだけ違うんだ」とダ・コスタ。


「まず第一に、(WECでは)他のふたりとマシンをシェアしている。そのうちのひとりは週末につねに“ティア・ワン”になる。クオリドライバーだね。多くの注意がこのドライバーに行くことになる」


「一方、その週末にミッドスティント・ドライバーをしているだけなら、少なくともJOTAではただそこにいるだけでいいんだ」


「もちろん、自分の仕事をしっかりとこなし、クルマをミスなく速く走らせてスタートとゴールのドライバーのためにマシンを戻す必要はある」


 来年の“パラレル・ファクトリードライブ”は不可能と考えているダ・コスタだが、彼は今年JOTAとDSテチーターの間で行ったデュアル・プログラムを維持すること熱望している。


 現時点でWECの来季スケジュールは発表されていないが、ジャカルタE-Prixはル・マンのテストデーの週末に開催されることが決定している。また、セブリングでの開幕戦の1週間前にフォーミュラEのラウンドが予定されており、通常このラウンドはテスト走行に使用される。


 ダ・コスタは来季のWECプログラムについて、「僕はレースが好きだから、そこにいたい」と語った。


「僕はレーシングドライバーだ。だから、できることなら毎週末レーシングカーに乗っていたい。ボスが僕の休息時間について心配していることは知っているけど、僕は30歳だし、結婚もしていなければ子供もいない。レース中毒だからできる限りレースをしていたいんだ」


「もし日程が重なっても、JOTAは僕にフォーミュラEに完全に集中する自由を与えてくれたし、テストをいくつか欠席することに関しても妥協してくれる」


「今のところ、プロローグとル・マンのテストはスキップしなければならないようだ」


「正直に言ってそのことに大きな問題はないと思う。それで来年ふたつの世界選手権を同時に戦い、総合的な戦いに勝つチャンスが得られるのなら、それが僕のやりたいことだ」


「すべてを実現するには、明らかに最後の詳細を仕上げる必要がある。でも、僕の願いはそうすることだから、うまくいく方法を見つけることができることを願っているよ」

2022年ル・マン24時間LMP2クラスで優勝したJOTAの(左から)ロベルト・ゴンザレス、ウィル・スティーブンス、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ

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