レッドブル育成クロフォードが初PP獲得。岩佐歩夢は3度の赤旗に翻弄される【FIA F2第12戦予選】

　8月25日、2023年FIA F2第12戦の公式予選がオランダのザントフォールト・サーキットで開催され、ジャック・クロフォード（ハイテック・パルスエイト／レッドブル育成）が最速タイムを記録し、自身初となるフィーチャーレース（決勝レース2）のポールポジションを獲得した。ホンダ＆レッドブル育成の岩佐歩夢（ダムス）は12番手で予選を終えている。

　F1のフリー走行1回目終了直後の現地時間14時5分より、気温20.3度、路面温度32度という曇り空のもと、30分間の公式予選はスタートを迎えた。

　各車が最初のアタックに入ろうかというタイミングの中、ターン13でジャック・ドゥーハン（インビクタ・ビルトゥジ・レーシング）とビクトール・マルタンス（ARTグランプリ）があわや接触という状況に。これで2台は1周分のアタックチャンスを失い、ドゥーハンは無線で怒りを露わにする。

　その翌周にアタックに入ったドゥーハンは1分21秒377で暫定首位に浮上する。ただ、その直後にはジャック・クロフォード（ハイテック・パルスエイト／レッドブル育成）が1分21秒210をマークしトップの座を奪うと、2番手にデニス・ハウガー（MPモータースポーツ／レッドブル育成）が続き、レッドブルカラーの2台が1-2につける。

　3番手にはランキング2位につけるフレデリック・ベスティ（プレマ・レーシング／メルセデス育成）、4番手にドゥーハン、5番手にフリー走行最速のオリバー・ベアマン（プレマ・レーシング／フェラーリ育成）というトップ5に。一方、岩佐は1分21秒598で暫定11番手という状況でセッションは後半を迎えた。

　残り12分を切り、各車再びコースイン。そんななか、暫定首位につけるクロフォードがピットロードで、クレモン・ノバラック（トライデント）と接触しフロントウイングを破損。

　クロフォードは早々にピットでのウイング交換を強いられ、貴重なアタックタイミングを失うことに。ただ、セッション残り7分16秒というところで、14番手につけていたユアン・ダルバラ（MPモータースポーツ）がターン3でスピンからクラッシュを喫し、予選は赤旗中断となる。

　ダルバラの車両の回収が済み、セッションは残り7分16秒で再開された。2番手のハウガーを含む各車がタイム更新も間近という状況のなか、セクター1全体ベストを更新していたファン・マヌエル・コレア（ファン・アメルスフォールト・レーシング）がセクター2のターン10で単独スピンを喫し、グラベル上にマシンを止めた。

　このアクシデントでセッション残り3分49秒というところで2度目の赤旗となり、セッションは現地時間14時48分に再開を迎えた。セッション開始時点よりも日差しが強まりを見せる中、岩佐は残り2分30秒というタイミングでコースイン。

　しかし、アタックに入ったノバラックがターン3立ち上がりでバランスを崩しウォールにヒット。セッション残り49秒というところで3度目の赤旗が掲示され、これで予選は終了となった。不完全燃焼の予選となる中、クロフォードがFIA F2初ポールポジションを獲得。2番手にハウガー、3番手にランキング2位のベスティが続いた。

　スプリントレース（決勝レース1）のスターティンググリッドは予選トップ10がリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したドライバーズランキング首位につけるテオ・プルシェール（ARTグランプリ／ザウバー育成）がポールシッターとなった。

　岩佐は赤旗に翻弄される結果となり12番手で予選を終えた。なお、前戦スパ・フランコルシャンのフィーチャーレース（決勝レース2）でのハウガーとの接触に伴うペナルティにより、岩佐はスプリントレースを17番手からスタートする見込みだ。

　2023年FIA F2第12戦ザントフォールトの決勝レース1は、8月26日（土）現地時間13時15分（日本時間20時15分）より行われる。

■2023年FIA F2第12戦ザントフォールト 予選暫定結果