WRC:トヨタ、第10戦ドイツで起きたブレーキトラブルの原因特定。対策は「古めかしい手法」で

2019年9月9日(月)10時35分 AUTOSPORT web

 2019年のWRC世界ラリー選手権を戦うTOYOTA GAZOO Racing WRTは、第10戦ドイツで優勝したオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が競技最終日に抱えていたブレーキトラブルの原因を特定。「古めかしい手法」で対策を講じると明かした。


 トヨタの表彰台独占で幕を下ろしたラリー・ドイチェランドだが、優勝したタナクは最終ステージ直前のSS18でブレーキトラブルに見舞われ、前輪片側のブレーキが効かない状態での走行を強いられた。


 このトラブルでタナクのヤリスWRCはハンドリングにも不調を抱えることとなり、パワーステージでは上位5名に与えられるボーナスポイントを狙うことはできず。総合優勝は手にしたものの、パワーステージでは8位に終わり、ドライバーズランキングで最大得点を手にすることはできなかった。


 チームのチーフエンジニアを務めるトム・ファウラーはWRC公式サイト『WRC.com』に対し、「調査の結果、オット(タナク)に起きたトラブルはブレーキの“ならし”に問題があった」とコメントしている。


「ブレーキパッドとブレーキディスクのならしが正しい形で行われておらず、走行を重ねるうちに劣化して効きが悪くなってしまった」


「ただ本当に問題だったのはブレーキの効きが悪くなったことではない。この症状がマシンのフロント側に現れ、その結果ブレーキバランスが崩れ、ハンドリングにまで影響してしまったことが問題なのだ」


「そして、この問題は以前から存在していた可能性がある。ラリー・ドイチェランドはハードブレーキングが続きブレーキ温度が上がりやすい大会だったことで問題が表面化したかもしれない」


 ファウラーは「ブレーキのならし作業は機械によって行われており、データ上は正しく作業が行われていた」としたものの「この件についてはさらに調査を進める必要があるが、まずはプロセス自体を変えるつもりだ」と続けている。


「まずはもっとも簡単な方法へ切り替える。つまり、ドライバー自らがならしを行うか、最終工程だけを担当して理想のブレーキを作り上げるというものだ」


「今、ドライバーたちはステージに向かう道中でブレーキの感触を確かめているが、これからは大会が始まる前にその作業を行うことになる。これはほんの少し古めかしい手法だけどね」


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