アクロポリス・ラリーがアテネの五輪スタジアムで開幕。初日首位はヒョンデのヌービル/WRC第10戦

2022年9月9日(金)12時9分 AUTOSPORT web

 9月8日、WRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』が開幕。オープニングステージのSS1がアテネ・オリンピック・スタジアムに設けられた特設コースで行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がトップタイムをマークした。2番手にはWRC2クラスを戦うテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)がつけている。


 伝統のアクロポリス・ラリーが、復活を果たした昨年に続き2022年もWRCイベントとして開催される。大会初日となった8日(木)は、サービスパークが置かれるラミアの近くで朝からシェイクダウンが行われ、既報のとおり2連勝中のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が最速タイムをマーク。ヌービルが2番手に続きヒョンデのワン・ツーという結果になった。


 競技のオープニングはラミアから約200km離れた首都アテネのオリンピック・スタジアムが舞台に。数万人もの観客が見守るなか、全長1.95kmのターマック(舗装路)ステージで2台のマシンが同時にスタートする形式のスーパーSSが実施され、ヌービルがトップ4を占めたヒョンデ勢の中でも最速ドライバーとなっている。


 彼に続いたのはWRC2クラスにエントリーしているスニネンで、タイム差はわずか0.1秒だった。総合3番手はダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)で、ヌービルからは1秒差。3連勝を狙うタナクはトップと1.1秒差の総合4番手につけた。


「ここはとてもいい雰囲気だ。こういった光景がつねにあるべきだ」とスタジアムを埋め尽くした群衆を前に興奮気味のヌービル。


「僕たちと今日ここに来てくれた観客のために、このような場を設けてくれたオーガナイザーにおめでとうと言いたい。彼らはWRCに大観衆を集めることが可能であることを証明してくれた。他のイベントでもこのようなことを行う必要があると思う」


 ヌービルを先頭に並んだ“ヒョンデ艦隊”の後方では、シュコダ・ファビア・ラリー2エボを駆るエミール・リンドホルム(WRC2)とガウラブ・ギル(WRC2)がラリー1カーの間に割り込む総合5番手、6番手のタイムを記録。これに元9連覇王者のセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)が総合7番手で続いた。ローブはシェイクダウンでエンジンに問題を抱えたが、チームがこれを修復しSS1に出走している。トップとタイムは1.3秒だ。


 トヨタ勢はカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がヌービルから1.5秒差の総合8番手に。エサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)コンクリートバリアにマシン側面を当てながらもチームメイトと0.3秒差でトップ10に入ってみせた。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は首位から3.5秒おくれ、総合18番手となっている。


 ラッピと勝田の間では、クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)、ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)、ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)の4名がトップと3秒以内の差で初日を終えている。


 グラベル(未舗装路)ステージの戦いが始まる9日(金)はアテネの西側に位置する美しいビーチリゾート、ルートラキを中心にSS2〜7が行われる。このデイ2は日中のサービスが設定されておらず、各車はタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換および簡易整備作業のみで全ステージを走らなければならない。6本のSSの合計距離は108.31km、リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は441.57kmだ。

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