モータースポーツ界の多様性促進目指す『ハミルトン・コミッション』にマクラーレンF1の元首脳が加入

2020年9月25日(金)16時1分 AUTOSPORT web

 メルセデスF1チームのルイス・ハミルトンが、モータースポーツにおいてダイバーシティ(多様性)が進まない原因を究明するために立ち上げたハミルトン・コミッションのメンバーが明らかになった。著名な専門家を含む総勢14人で構成される委員会が活発に活動を行っている。


 ハミルトン・コミッションは、「科学・技術・工学・数学(STEM教育)分野出身の若い黒人をもっと多く巻き込んで、ゆくゆくは僕たちのチームや他のエンジニアリング系業種での雇用を増やす」ためにモータースポーツを活用しようと、6度のF1世界王者であるハミルトンが今年の6月に立ち上げた取り組みだ。


 コミッションが9月1日から正式に開始したリサーチ作業は、今後9カ月間かけて進められる予定だ。このプロジェクトは、イギリスの王立工学アカデミーと共同で行われている。


 ハミルトンは、アカデミーCEOのハヤートゥン・シレム博士と共にコミッションの共同委員長を務める。また、元マクラーレンF1チーム代表のマーティン・ウィットマーシュやイギリスの元スポーツ大臣トレイシー・クラウチらが14人の専門委員に含まれている。

ルイス・ハミルトンがマクラーレンに所属していた時代にCEOを務めていたマーティン・ウィットマーシュ

「14年前にF1でプロとしてレースのキャリアを開始して以来、僕は初めての有色人種のドライバーとして活動してきた。悲しいことだけれど、今日に至るまでその状況は変わっていない」とハミルトンは語った。


「でも、より懸念すべきことは、このスポーツ全体を見渡してみても、有色人種の人材はまだ非常に少数ということなんだ」


「F1のチームでは、前面に立っているアスリートたちよりもはるかに多くの人が働いている。それでも、ガレージからファクトリーのエンジニアや設計部門に至るまで、あらゆる領域で黒人の数は不十分だ」


「変化のスピードが十分とはいえないし、僕たちはその原因を探る必要がある」


「それが、僕がこのコミッションを立ち上げようと思った理由だ。モータースポーツがSTEM教育(科学・技術・工学・数学)を受けた黒人の若者たちを支援するうえで直面する障害をはっきりさせるために、王立工学アカデミー、そして素晴らしい専門委員たちとともに働くことができてうれしく思っている。僕たちはこの目的のため真剣に取り組むつもりだし、みんなで動けば変化は起こせると思っているよ」


 ハミルトン・コミッションの共同委員長であるハヤートゥン・シレム博士は活動について、「この重要な問題で構造変革を起こそうとする、他に類を見ない取り組みだ。そして、他のエンジニアリング領域や社会においても多様性を高めていくための、学びのプロセスでもある」と述べた。


 F1もコミッションに関わっていくことを宣言した。今年の初めには多様性の推進を目的とした財団が設立され、F1のCEOであるチェイス・キャリーは、取り組みを前進させるために自ら100万ドル(約1億500万円)を寄付している。

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