MotoGPタイGP:FP1の転倒で病院へ搬送されたマルケス、FP2に参加。初日は首位クアルタラロ含めヤマハが好調

2019年10月4日(金)17時55分 AUTOSPORT web

 MotoGP第15戦タイGPのフリー走行1回目が、2回目チャン・インターナショナル・サーキットで行われ、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が初日総合トップタイムを記録した。タイトル獲得がかかるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はフリー走行1回目でハイサイド転倒。病院に搬送されたがその後サーキットに戻ってフリー走行2回目に参加し、総合6番手で初日を終えている。


 タイGPでは前戦第14戦アラゴンGPのフリー走行4回目で転倒し、左手首を骨折して決勝レースを欠場したポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)は、手術を受けたのち、復帰を果たしている。


 また、チャンピオンシップのポイントランキングでトップにつけるマルケスのチャンピオン獲得の可能性が高まっている。決勝レースでマルケスが優勝すれば、無条件でチャンピオンが決定。それ以外のポジションの場合は、ランキング2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)に対し2ポイント以上をつけるポジションでゴールすれば、マルケスの戴冠が決まる。


 フリー走行1回目は気温28度、路面温度36度のドライコンディションで行われた。開始5分、トップに立っていたマルケスが早々に1分31秒台のタイムを記録。マルケスはその後さらに1分31秒187をマークする。


 20分を経過して、トップは依然マルケス。2番手から4番手までバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)とヤマハ勢が続く。


 25分を経過するころ、ビニャーレスが1分31秒673をマークして2番手に浮上。さらにクアルタラロがタイムを更新して3番手につける。


 セッション残り時間5分になるころ、トップにつけていた、そして今大会でチャンピオン獲得なるかと注目されているマルケスが7コーナーでクラッシュ。特にリヤ部分が大破したマシンが上下反転した状態でエスケープゾーンに転がり、うずくまったまま立ち上がることができないマルケスの様子が映像に映し出された。マルケスはその後、メディカルセンターに向かい、Moto2クラスのフリー走行1回目中にブリーラムの病院へ搬送された。


 セッションは、終盤のアタックでビニャーレス、クアルタラロがマルケスのタイムを上回った。ビニャーレスが1分30秒979でトップ、2番手にクアルタラロ、3番手がマルケスで、4番手にはドゥカティのドヴィツィオーゾ、5番手にジャック・ミラー(プラマック・レーシング)という結果となった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は14番手だった。


 フリー走行2回目は気温31度、路面温度51度のドライコンディション。フリー走行1回目で転倒し病院で検査を受けたマルケスは、病院から戻り走行を行った。レプソル・ホンダ・チームの公式SNSによれば、マルケスは臀部、背中、足に痛みを抱えた状態だったという。


 そのマルケス、セッション序盤に1分30秒891のトップタイムをマーク。このタイムはマルケスがフリー走行1回目で記録した自身のベストラップよりも速いタイムで、転倒の影響を感じさせない走りを見せる。20分が経過しても、トップは依然マルケス。クアルタラロが約0.6秒差で2番手につけ、3番手にはドヴィツィオーゾが続く。


 セッション残り時間5分を切って、各ライダーが続々とタイムを更新。まずビニャーレスが1分30秒597をマークしてマルケスのタイムを上回ると、続いてフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)、クアルタラロもタイムを更新して、マルケスよりも上位に名を連ねる。


 さらにクアルタラロが残り1分を切って1分30秒404を記録し、トップに立つ。クアルタラロはそのままこのタイムでセッションを制し、初日総合をトップで終えた。2番手はビニャーレスで3番手がモルビデリ。4番手にはドゥカティ勢トップのミラーで5番手にロッシが入り、トップ5のうち4席をヤマハ勢が占めている。


 体調が懸念されたマルケスは、序盤に記録したベストタイムを更新することなくセッションを終え、6番手だった。トップのクアルタラロとの差は0.487秒である。


 マルケスのチャンピオン獲得を阻止する可能性のあるドヴィツィオーゾは8番手と苦戦気味。中上はなかなかトップ10以内に浮上できず、最終的に14番手だった。


 予選日のブリーラムは雨の予報が出ている。フリー走行1回目の転倒、そして天候もあわせ、マルケスのタイトル獲りは一筋縄ではいかないかもしれない。


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