「超変革」の象徴だった天才バットマンが迎えた“必然”の戦力外 阪神・高山俊はもう一花咲かせるか

2023年10月4日(水)6時0分 ココカラネクスト

ついに戦力外通告を告げられた高山。アマチュア時代に異彩を放ったバットマンはこのまま終わってしまうのか。(C)kentaHARADA/CoCoKARAnext

 レギュラーシーズンが最終盤を迎え、日本のプロ野球界ではオフを見越した動きが出始めている。10月3日には、セ・リーグ王者となった阪神が高山俊北條史也、板山祐太郎ら8選手と来季契約を結ばないと発表した。

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 戦力外通告——。それは日々熾烈な競争が繰り返されるプロ野球界において常だ。それでもなお、毎年のように発表時には小さくない反響が起きる。今年の阪神でいえば、高山に対する宣告はSNSでも話題となるなど驚きを呼んだ。

 実力はアマチュア時代から傑出していた。歩んできたのは“エリート街道”で、高校時代は日大三高、そして大学時代は明治でプレー。大学時代には東京六大学史上最多となる通算131安打をマークし、その名を轟かせた。

 アマチュア球界屈指の巧打者は、プロの世界に入っても天才ぶりを発揮した。ヤクルトとの争奪戦の末に、クジを引き当てた阪神にドラフト1位で入団した高山。「超変革」というスローガンを打ち出した金本知憲新監督(当時)の下、ルーキーイヤーには134試合に出場。球団新人記録となる136安打を放つなど、レギュラーとして活躍。見事に新人王にも輝いた。

 しかし、「超変革」の象徴となった天才バットマンだったが、2年目以降は成績が徐々に低迷。入団4年目からは福留孝介、糸井嘉男、そして新人として加わった近本光司との競争に敗れて、1軍からも遠のく日々が続いた。

 春季キャンプやオープン戦では結果を出せても、いざシーズンが始まると、結果が出なくなる。そんな状態が続いた高山。おそらく本人も「正念場」と位置付けていたであろう、岡田彰布監督による新体制が発足した今季はなんと1軍出場なし。2軍でも出場92試合で打率.249、出塁率.339と精彩を欠いた。気づけば、30歳。佐藤輝明や森下翔太、前川右京ら若手の台頭が目立つチームにあって戦力外通告も必然ではあった。

 間違いなく待ち受けているのは厳しい冬だ。それでも、すでに現役続行の意思を見せているという高山はもう一花を咲かせられるか。30歳と決して若くはないが、虎党を沸かせた天才がこのまま終わるのは惜しい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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