再びインディ500優勝トロフィーに刻まれる琢磨の彫像。新しい塑像に「今年の方がよく笑っている」とご満悦
2020年10月10日(土)14時1分 AUTOSPORT web
10月7日、インディアナポリス・モータースピードウェイでのハーベストGPを終えた佐藤琢磨はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのチーム広報、マネージャーのスティーブ・フーセック夫妻らと共にノースカロライナ州のトライオンという小さな街を訪れ、2020年のインディ500チャンピオンとしてボルグワーナートロフィーに刻まれる彫刻の最終仕上げに立ち会った。
2017年の初勝利の時にもこの街を訪れているが、ここにはトロフィーに刻まれる顔を製作している彫刻家、ウイリアム・ベーレンズ氏のアトリエがあり、そこで琢磨の顔と1/1塑像の最終チェックを行うためだ。
琢磨が訪れた日には、ほぼ塑像は完成に近い状態に仕上がっており、ベールが剥がされると琢磨は自分の顔とご対面してニコニコと笑った。
「2017年にもウイルさんに作っていただきましたが、本当によく似ていてびっくりしますよね。ウイルさんは本当に細かいディテールにもこだわって製作されて、この顔を見て、みんなが今年の方がよく笑っていて柔らかい表情だねって言ってくれます。どうでしょう? そのぶん年も取ったのかな(笑)」
「トロフィーに顔が刻まれるのは1回だけでも光栄なことなのに、今年はコロナ禍の中でインディ500も無事開催されて、このトロフィーに2度も顔が刻まれるなんて、本当に光栄なことだと思いますし、感謝したいと思います」
この日のためにボルグワーナートロフィーもインディアナポリスのミュージアムから運ばれて、琢磨は自分の塑像と並びながら、写真を撮影されたり、メディアのインタビューに応えたりと、日中はアトリエで忙しく過ごした。
夕方にはレーシングスーツに着替えて、トライオンの小さなシアター前でボルグワーナートロフィーと記念撮影を行った。
シアターの電光掲示板には、琢磨を大歓迎する表示がされ、SNSを見た近くのファンもこの場所に駆けつけるほどだった。
トロフィーと共にポーズを撮り、ベーレンズ夫妻やシアターのオーナー、ファンや地元の警察官などとも写真に収まっていた。小さなトライオンの街も、琢磨の来訪を歓迎していた。
その後、琢磨はベーレンズ夫妻の手厚いおもてなしでホームディナーにも呼ばれ、旧交を温めていた。
トロフィーの塑像はこの後石膏となり、さらに縮小され銀の鋳型で製作される予定で、まずは琢磨にベイビーボルグ(ボルグワーナートロフィーの縮小版)の授与が2021年初頭に、その後ボルグワーナートロフィーに顔が入った状態でお披露目となる予定だ。
かつてボルグワーナー社はホンダと協力して、2017年にはジャパンツアーを行い、ホンダレーシングサンクスデーや日本の各表彰式、三重県名張市のボルグワーナージャパンなどを巡回していた。
ボルグワーナートロフィーの広報担当者は、コロナ禍の状況が落ち着けば日本に行きたい意向を示しており、運が良ければ2021年に琢磨の顔がふたつ入ったボルグワーナートロフィーが再度日本にやってくるかもしれない。