“悪童”カシメロに失望の声止まず 井上尚弥との広まる差に母国紙も酷評「怪物に単なる殴り合いは通用しない」

2023年10月16日(月)16時0分 ココカラネクスト

井上との対戦をかねてから口にしてきたカシメロ。しかし、彼の直近のパフォーマンスには批判が相次いだ。(C)Getty Images

 今夏にWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者となった井上尚弥(大橋)は、さらなる快挙に向け、順調に歩みを進めている。去る10月12日にドミニカ共和国で開催中のWBO年次総会の会合で、WBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)の陣営が12月26日に4団体統一戦を行なう予定であると報告した。

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 日本開催が有力視されている大一番で覇者となれば、井上は史上2人目となる2階級での4団体統一となる。彼の声価はより世界規模で高まっていくに違いない。

 日進月歩で進化を続け、スターダムをのし上がる井上。そんな30歳の怪物を尻目に、“因縁のライバル”の評価は著しく低下している。元世界3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だ。

 時に挑発的な言動を口にし、バンタム級時代から「モンスター」(井上の愛称)との対戦を熱望してきたカシメロ。しかし、34歳のベテランとなった猛者は、今月12日に東京・有明アリーナで小国以載(角海老宝石)とのスーパーバンタム級のノンタイトル戦に臨んだが、もどかしい結果となった。4ラウンド途中に偶然のバッティングにより相手が頭部を負傷。出血が止まらなかったために引き分けに終わったのである。

 井上との対決に向け、“日本デビュー”を果たしたカシメロには豪快なKO勝利でのアピールが求められていた。それだけにスタミナ面などでも精彩を欠いた感が否めないパフォーマンスには、先を行く怪物が遠のいた印象がある。

 今年5月以来のリングに立ったカシメロのパフォーマンスには、母国メディアでも厳しい指摘が続いている。フィリピンの日刊紙『Sun Star』は「カシメロにはイノウエと互角に渡り合えるだけの身体能力はある。しかし、あの“怪物”を倒したいのであれば、彼にはリング上での戦略が決定的に欠けている」と酷評。さらに荒っぽいファイトに終始した小国戦をふまえ、「カシメロがイノウエの首を狙っていたことを考えれば、日本でのパフォーマンスはボクシングファンの心に響くものではなかった。怪物には、単なる殴り合いをするだけでは通用しない」と断じた。

 また、フィリピン紙『The Philippine Daily Inquirer』も「オグニとの試合は残念な結果に終わった。イノウエとの統一戦を狙っているカシメロの挑戦は暗礁に乗り上げたと言わざるを得ない」と、率直な感想を記している。

 母国でも失望を広がっているカシメロ。小国戦後に「イノウエとやりたい」と語った男の夢は、このまま儚く消えてしまうのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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