IMSA第9戦:白熱しすぎた首位争い。共倒れに乗じWTRキャデラックが逆転優勝

2020年10月19日(月)18時6分 AUTOSPORT web

 北米スポーツカーシリーズ、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の第9戦プチ・ル・マンが10月17日、アメリカ・ジョージア州のロード・アトランタで行われ、決勝の10時間レースをデイトナ24時間ウイナーである、コニカミノルタ・キャデラックDPi-V.R(ウェイン・テイラー・レーシング)の10号車キャデラックDPi-V.R(ランガー・バン・デル・ザンデ/ライアン・ブリスコー/スコット・ディクソン組)が制した。


 新型コロナウイルスの影響でスケジュールの大変更を余儀なくされているシリーズがロード・アトランタを訪れるのは今季2度目。9月にワトキンスグレンの代替地として6時間レースが行われた同地において、今回はさらに4時間長い“オリジナル”の10時間の決勝レースが実施された。


 レースは定刻12時40分、予選でワン・ツーを固めたアキュラ・チーム・ペンスキーの6号車と7号車アキュラARX-05が好スタートを決め、そのまま序盤戦をリード。その後方からウィレン・エンジニアリング・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)の31号車キャデラックDPi-V.R、マツダモータースポーツの77号車マツダRT24-Pの2台が迫る展開で進んでいく。
 
 しかしレース中盤、スタートから5時間を迎える直前に表彰台圏内を走っていた77号車マツダがGTカーと接触してクラッシュ。また、ほぼ同じタイミングで6号車アキュラもアクシデントに遭遇して順位を落としてしまう。
 
 この2台の脱落により首位争いは7号車アキュラと31号車キャデラックに絞られるかたちとなり、以降この2台が3番手以下を引き離しつつ、順位を入れ替えながらの接近戦を演じていく。
 
 日没後のレース終盤となっても両者は一歩も引かず。ついにテール・トゥ・ノーズ状態で最後のピットストップを迎える。同時ピットとなったこのルーティンで速さをみせたのは7号車アキュラで、2番手から首位に浮上する。
 
 しかし、そのわずか数週後にはピポ・デラーニ駆るキャデラックがコース上でオーバーテイクを決めて再逆転に成功する。レースは残り9分、最後まで続くと思われた首位争いはターン6で、リッキー・テイラーの7号車アキュラがキャデラックを交わそうと勝負を仕掛けた際に起きた接触によって幕切れに。
 
 ターン6で発生したこのアクシデントによって31号車キャデラックはアウト側に弾かれバリアにクラッシュ。7号車アキュラもスピンを喫しタイムを失ってしまう。同時にフルコースコーションが出されるとセーフティーカーの背後、新たなレースリーダーは3番手につけていた10号車キャデラックとなった。
 
 フィニッシュまで残り6分というタイミングでリスタートが切られたものの、直後にローレン・ファントール駆る912号車ポルシェ911 RSR(ポルシェGTチーム)がクラッシュしたため再度SCが出動。結局そのままチェッカーとなり10号車キャデラックが今季2度目の優勝を飾った。


 総合2位は7号車アキュラ、3位に僚友6号車アキュラが続き4位がマスタング・サンプリング・レーシング/JDCミラー・モータースポーツの5号車キャデラックDPi-V.R。31号車キャデラックはトップから2周遅れの5位となっている。

2020年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第9戦プチ・ル・マン スタートシーン


■トラブル&アクシデントに泣いたマツダ勢


 
 マツダ勢は中盤まで好走をみせていた77号車が総合15位/DPiクラス7位でフィニッシュ。チームメイトの55号車は、スタート直後に左フロント足回りにダメージを負ったことで早々に戦線を離脱したものの、修理後に再出走を果たし総合8位/クラス6位でフィニッシュした。


 レース最終盤まで6台中5台がリードラップに残る接戦となったGTLMクラスでは、ポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSRが今季初優勝をマーク。
 
 911号車はレース終了まで30分強のタイミングで、後半戦の大部分を支配していた24号車BMW M6 GTE(BMWチームRLL)がプロトタイプカーとの接触でコースを外れ、ラジエーターダクトの清掃のためにピットに戻ったことで首位に浮上すると、そのままトップフィニッシュを飾っている。クラス2位はポールシッターの3号車コルベットC8.R(コルベット・レーシング)、24号車BMWは3位となった。
 
 GTDクラスでは、レース終盤にトップに躍り出たスクーデリア・コルサの63号車フェラーリ488 GT3 Evoが、14号車レクサスRC F GT3(エイム・バッサー・サリバン)と44号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(GRTマグナス)を抑えて今シーズン初優勝を達成。
 
 道見真也も乗り込む86号車アキュラNSX GT3 Evo(マイヤー・シャンク・レーシング)はレース序盤から長らくトップ争いを繰り広げるも、7時間過ぎに接触による足回りのダメージで戦線を離脱し、最終的に10位でフィニッシュしている。


 LMP2クラスではタワー・モータースポーツ・バイ・スターワークスの8号車オレカ07・ギブソンが表彰台の頂点に立ったIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第10戦ラグナ・セカは、10月31日〜11月1日にウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにて行われる予定だ。

マツダモータースポーツの77号車マツダRT24-P

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