第1回『TCRワールド・ランキング・ファイナル』の舞台はポルティマオ。総計60名が参戦へ

　世界的な成功を収めるTCR規定ツーリングカーを統括するWSCグループは、今季より導入した世界ランキング制度に基づく、記念すべき第1回の『TCRワールド・ランキング・ファイナル』開催地を発表。2024年3月にポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキット、通称ポルティマオでの実施が決まっている。

　また大会は3日間にわたって開催され、こちらも今季が初年度の『TCRワールドツアー』登録メンバー上位15名に、10月初旬時点のランキングに基づいて選ばれた45名＋ワイルドカード枠のドライバーから、誰が頂点に立つかを決定するグランドファイナルまで続くレースフォーマットの概要も公開されている。

　そのWSCを率いるおなじみマルチェロ・ロッティ会長は「ツーリングカーがつねに面白いレースを提供するサーキット、ポルティマオで初のTCRワールド・ランキング・ファイナルを開催できることに興奮している」と、まずは開催地確定の喜びを語った。

「そのアップダウンに富んだレイアウトや、広いコース幅、そして安全なランオフエリアは、TCRドライバー間のドア・トゥ・ドアの戦いに可能な限り最高の環境を提供するだろう。加えて施設はこのような広いフィールドに対応するのに充分な規模を誇り、スタッフ（経営陣、サービス担当者、マーシャル）は業界で最もプロフェッショナルな人材だ」と最大級の賛辞を贈ったロッティ。

　どのサーキットがイベントの開催地に選ばれるかについて多くの憶測が飛び交うなか、アウトドローモ・アルガルヴェのCEOを務めるパウロ・ピニェイロも「それはここにいる全員にとっての誇りの源だ」と喜びを述べた。

「素晴らしいことに、アウトドローモ・インテルナシオナル・デ・アルガルヴェが史上初のTCRワールド・ランキング・ファイナルを開催することになった。我々としてもここまで、マルチェロ・ロッティ率いるWSCグループとはつねに友好的な関係を築いてきたからね」と続けたピニェイロCEO。

「今、我々の協力関係は、世界中から最高のツーリングカードライバー60名をポルトガルに誘致するイベントで、さらに一歩前進したと言えるだろう」

　2024年3月1日から3日間にわたって開催される同イベントに向け、すでにランキング優先リスト1と2に、合計65名のドライバーが名を連ねており、ワイルドカード・エントリーが検討される前の11月6日までに、大会エントリーを希望するかどうかを確認する必要がある。

■決勝進出者には50万ユーロ（約7900万円）が分配される

　そのうちTCRワールドツアー上位15名が予選レースとイベント決勝への即時出場権を確保し、残りの45名は3日間のイベント中に一連のプレーオフに参加。最終的に“アルティメイト・ファイナル”と呼ばれる世界一決定のヒート進出を目指すことになる。

　また、WSCとさまざまなTCRマニュファクチャラーで構成される委員会により、30名のワイルドカード・ドライバーで構成された3番目の優先リストからは、先行する優先リスト2のドライバーとともに出場の意向確認締切後に、まだ埋まっていないスペースにのみ出場権を獲得することが許可される。

　大会のイベント初日は公式練習と予選で構成され、ここでもTCRワールドツアー・メンバーは独自のプラクティスへ回ることに。リストから参戦する45名のドライバーは、ここで抽選によって15名ずつの3つのグループに分けられ、それぞれのグループごとにセッションに臨む。

　そして2日目にはTCRワールドツアーの2回の公式練習と予選、そしてグループ対抗のプレーオフ・レースがそれぞれ別組と2回ずつ戦う20分＋1周の3ヒートが争われる。このレースでポイントを獲得した上位15名のドライバーが、明けた最終日の予選レース出場権を獲得し、グリッドの一方はTCRワールドツアーの予選とプレーオフの結果で確定される。

　この最終日は気象状況が変化した場合に備え、早朝15分間のウォームアップ・セッションもスタンバイされ、予選レース（20分＋1周）と、さらに30台から4名が生き残る敗者復活戦（15分＋1周）、そして決勝レースのグランドファイナル（30分＋1周）へと進んでいく。

　プレーオフ出場権を獲得した45名のドライバーごとに、クムホから12本の新品タイヤが供給され、イベントを戦うカーナンバーは2024年1月10日時点で発表されるTCRワールド・ランキング・ファイナルに基づいた数字が割り当てられる。

　最終的にドライバーズ、チーム、マニュファクチャラーズの全タイトルも授与され、プレーオフレースを経て決勝進出を決めた15名のドライバーには、年間タイヤ予算に相当する50万ユーロ（約7900万円）が均等に配分される。