ヤン・マグヌッセン今季8勝目も、宿敵ジェンセンが2年連続タイトル獲得/TCRデンマーク最終戦

2021年10月21日(木)13時30分 AUTOSPORT web

 10月15〜17日の週末にパドボルパークで開催された2021年のTCRデンマーク・シリーズ最終戦は、予選ポールポジション獲得から今季最終となるレース3でも勝利を挙げた2020年初代王者のキャスパー・H・ジェンセン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/マッシブ・モータースポーツ)が、レース1を制したヤン・マグヌッセン(クプラ・レオン・コンペティションTCR/LMレーシング)ら5人のコンテンダーたちを振り切り、見事シリーズ連覇を達成している。


 これがシーズン第7戦となった2年目のTCRデンマークは、開幕戦で全3ヒート制覇のロケットスタートを達成していたマグヌッセンが、中盤2戦を欠場(うち1戦はクラッシュによる撤退)したこともあり、ランキングトップ5にタイトル獲得の権利が残る状況で雨中の最終決戦を迎えた。


 その予選から勢いを見せたのは、こちらも第6戦で全ヒート表彰台を獲得していたディフェンディングチャンピオンで、シビックを操るジェンセンはQ1とQ2双方でペースセッターとなり、元F1ドライバーのマグヌッセンに対し0.4秒近い大差をつけてレース1のポールを手にした。


 セカンドロウ3番手にはランキング2位から逆転タイトルを狙うマイケル・マルクセン(プジョー308 TCR/マルクセン・レーシング)が続き、こちらもタイトルの権利を有するマグヌッセンの若き僚友、ニコライ・シルベスト(クプラ・レオン・コンペティションTCR/LMレーシング)が4番手に並ぶなど、チャンピオン候補たちが2列目までを占める結果となった。


 明けた日曜午前10時過ぎにスタートを迎えたレース1は、ランキング5位から逆襲を期す“耐久レースの鉄人”がジェンセンを出し抜き、まずはターン1に向けてホールショットを奪う展開となる。


 一方、もう1台のクプラをドライブするランキング4位のシルベストも、6周目にマルクセンのプジョーを仕留めて表彰台圏内に上がってくる。


 終盤のアクシデントでセーフティカー(SC)が導入され残り2周でリスタートが切られると、LMレーシングのワン・ツーを狙うシルベストが現役チャンピオンのホンダを捉え、2番手に浮上する。

開幕戦で全勝、第2戦でも3ヒートで2勝を挙げ、6戦5勝と盤石の開幕ダッシュを決めていたヤン・マグヌッセン(CUPRA Leon Competición TCR/LM Racing)
そのマグヌッセンがレース1を制したものの、2位のジェンセンが王座防衛に成功。ウイナーも新王者に祝福の言葉をかけた
レース2は8番手からラッシュを見せたマイケル・マルクセン(プジョー308 TCR/Markussen Racing)が今季初勝利


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 しかし、ここで冷静な判断を見せたジェンセンはすぐさまポジションを奪還することに成功し、そのまま2番手でチェッカー。今季8勝目を飾ったマグヌッセンだったが、ジェンセンのタイトル防衛には2位で充分なリザルトとなり、この時点で今季シリーズチャンピオン争いは終結。


 3位フィニッシュを果たしたシルベストは、イエローフラッグ下での追い越しによるペナルティの判断が降されたため、レース後に12位まで降格する形となった。


 これで連覇を達成したマッシブ・モータースポーツのクルーも気が緩んだか、続くレース2のフォーメーションラップでは新王者ジェンセンのボンネットが緩み、シビックはピットレーンスタートを強いられることに。


 リバースグリッドを活かして優位にレースを進めたいフロントロウのインサイト・レーシング勢だったが、ジェイコブ・マシアセンとフィリップ・リンドバーグのアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCRは、2台ともに8番手から急浮上を見せたマルクセンのプジョーに瞬く間に飲み込まれる展開に。


 そのマルクセンは6周目に首位を奪って以降は盤石のレース運びを披露し、タイトル決定後の今季初優勝を達成。2位マシアセンを挟んで、マグヌッセン&シルベストが3位と4位まで挽回して14周のチェッカーを迎えた。


 これで今季最終ヒートをポールポジションからスタートしたマルクセンだったが、後続でクラッシュが発生し、この日2度目のSCピリオドに。リスタート後に躍進したのはレース2を不本意な形で終えていた新チャンピオンで、まず2番手マグヌッセンを仕留めると、11周目には首位のマルクセンも捉えてリードを奪う。


 問答無用の直接対決を制した新王者ジェンセンが、今季4勝目を得て獲得ポイントを371点まで拡大。2位マルクセンが325点でランキングでも2位となり、3位表彰台で今季を締めくくったマグヌッセンは、同じく309点でランキングでも3位に浮上してシーズンを終えている。

レース2勝者マルクセンは、この最終戦で全ヒート表彰台を獲得し、来季につながる走りを見せた
Insight Racing(インサイト・レーシング)勢のジェイコブ・マシアセンとフィリップ・リンドバーグは好機を活かせず
2021年最終ヒートは、新王者がきっちり勝利を飾るフィナーレに。マグヌッセンはランキングでも3位でシーズンを終えた

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