予期せぬBoP変更に疑問を呈すフェラーリ陣営「まるでチャンスがない」/WEC第5戦バーレーン

2021年10月29日(金)13時55分 AUTOSPORT web

 AFコルセのフェラーリ488 GTE Evoを駆りWEC世界耐久選手権のLMGTEプロクラスを戦うジェームス・カラドは、2021年シーズン終盤に設定されたバーレーン2連戦を前に「まったく予期していなかった」BoPの調整によって、フェラーリは「3輪状態」でバーレーンに到着したようなものだと考えている。


 WECは今月、史上初の2週連続開催を前に、GTEプロとGTEアマ両クラスのフェラーリ488 GTE Evoに対してターボブーストレベルを下げる性能調整を行った。


 カラドとフェラーリの広報担当者はSportscar365に対し、この変更は約25馬力のパワー削減に相当することを示し、これはFIAのオートマチックBoPシステムのパラメーターの範囲外であると述べた。


 この変更の理由はフェラーリに伝えられておらず、FIAとシリーズの主催者であるACOフランス西部自動車クラブは、問題についてのコメントを拒否している


「BoPの変更によって我々は大きく後退してしまった」と憤りを隠せないカラド。


「僕たちがバーレーンで良い結果を得るチャンスは本当にないと思う」


「僕たちにできるのは書類上の3位になることだけだ。もちろん、(レースだから)何が起きても不思議ではないけどね」


「GTEではオートマチックBoPが採用されてきたので、この変更は予想外だった。1年をとおして各車の性能は本当に接近していた」


「(ライバルの)ポルシェはル・マンの前に、オートマチックBoPが採用された直近最後のレースであるモンツァで優位に立ち、性能面で我々を打ち負かした」


「それは大きな驚きだ。なぜこのような変更が行われたのか、理由が本当に分からない。これは(今年)初めてのことなんだ」


 WECの規則では、オートマチックBoPは最大10kW(約13PS)または最小重量20kgの調整を行うことができるとされている。これは、いわゆる“ブラックボール”と呼ばれる規則でパラメータの範囲外で変更が行われたことを意味する。


 カラドによると、フェラーリは今回のパワー削減の影響でバーレーン・インターナショナル・サーキットで1周あたり約1秒のタイムを失うと見積もっていると語った。

コム・レドガー、アレッサンドロ・ピエール・グイディとともに2021年のル・マン24時間レースでクラス優勝を飾ったジェームス・カラド(左からふたりめ)


「ただただ残念だ。以前のレースは本当に接近していた」とカラド。


「僕たちはル・マンで優勝してチャンピオンシップをリードし、ル・マンでは良いパフォーマンスを発揮した。それは事実だ」


「しかし、(ル・マンは)シーズンの他のレースとは別のBoPが採用されていて、オートマチックBoPにデータが反映されない」


「これまではすべてが順調に進んでいた。しかし突然、それは僕たちの手から奪われてしまった。まったく予期しない間にね」


「僕たちは3輪でここに来たようなものだ。正直なところ、我々にはチャンスがまったくない」


 この言葉どおり、AFコルセの51号車と52号車フェラーリ488 GTE Evoは、28日に行われたフリープラクティスでポルシェ勢の後塵を拝しただけでなく、クラストップタイムをマークした91号車ポルシェ911 RSR-19(ポルシェGTチーム)から2.3秒以上のタイムギャップをつけられている。

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