井納に続き山口俊までも戦力外 巨人FA戦士のつらい末路
2022年10月29日(土)11時0分 ココカラネクスト
(C)Getty Images
「行きはよいよい 帰りは怖い」といえば、童謡「通りゃんせ」の一節。これは巨人のFA加入選手にも当てはまるフレーズかもしれません。
巨人は10月25日、山口俊投手と来季の契約を結ばないと発表しました。7日に発表した井納翔一投手の戦力外通告に続き、横浜DeNAで一時代を築いた後、巨人へとFA移籍した剛腕が、このオフともにチームを離れることになります。
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スポーツ紙のデスクは言います。
「二人を同列に論じるのは無理があるかもしれません。山口の場合は2016年オフにFA争奪戦の末、巨人に入団後、1年目の17年には泥酔しての暴行事件を起こし、出場停止処分が課されるなど1勝止まり。しかし翌18年にはノーヒット・ノーランを達成するなど9勝を挙げ、19年には15勝4敗で最多勝に輝き、ベストナインに選ばれるなど見事に汚名返上します。チームをリーグ優勝に導き、そのオフには球団初のポスティング制度を利用してブルージェイズに移籍するわけです」
メジャーではなかなか活躍できず、21年夏に巨人へと復帰。しかしその年2勝、今季はけがの影響もあって1軍登板は1試合のみ。3年前にペナント制覇の立役者となった右腕ですが、今の巨人に居場所はなく、他球団での現役続行を希望しています。
一方、井納は2020年オフ、FAで巨人入団。先発ローテの一角としてのフル稼働を期待されましたが、21年は5試合の登板にとどまり、0勝1敗、防御率14・40。今季も7試合の登板で救援勝利を挙げたものの、1勝止まり。結果的に巨人の水に馴染まなかったと言えるでしょう。
前述のデスクの見立てはこうです。
「かつては『球界の盟主』と呼ばれた巨人も、徐々に『12分の1』になっているとはいえ、やはり注目度はダントツのビッグクラブ。活躍しなければメディアが黙っていない。そんな中で優れたパフォーマンスをできるのはほんの一握りです。この10年で巨人には13人がFA加入していますが、金額に見合った活躍ができたのは丸ぐらいのもので、山口俊はかなり頑張った方。後は正直、厳しいです。生え抜きでコツコツやってきた選手との年俸面でのバランスも狂うため、総合的に考えるとFA補強は、得策ではない気もしますね」
隣の芝はいつだって青く見えるもの。そして今オフ、巨人は新たなFA補強に乗り出すのか。対象選手はジャイアンツの旗の下、しっかりとやれる心身を携えているのか。その動向から目が離せません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]