公示次第でド軍入りは“確実” 佐々木朗希のMLB移籍先も左右する「タイミング」と、ロッテの譲渡金最大化の条件は?
2024年11月10日(日)5時30分 ココカラネクスト

メジャー移籍に向けて本格的に動き出した佐々木。(C)産経新聞社
日米両球界を震撼させる発表となった。
11月9日、ロッテは佐々木朗希がMLB球団へ移籍するためのポスティング申請を承認。当人の念願であったメジャー挑戦を後押しする方針を固めたことを発表した。
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プロ入り前からの憧れだったMLB移籍に向けて「令和の怪物」が本格的に動き出した。
昨オフも労組「日本プロ野球選手会」を脱退し、越年更改も行うなど異例の行動を見せ、強いメジャー志向を隠さなかった佐々木。そうした当人の想いを知る松本尚樹球団本部長は球団発表内で「今年までの5年間の総合的な判断として、彼の想いを尊重することにしました」と公言。吉井理人監督も「チームとしてはもちろん、とても痛いです」と前置きした上で、こう続けている。
「ただ自分もアメリカでプレーをした事があるので気持ちはものすごくわかります。そして若い今、チャレンジしたいという気持ちも分かります。未完成な部分は正直、まだまだありますが、アメリカで自身を磨き、さらにレベルアップすることも出来るのではないかとも考えます」
メジャー移籍への道は開けた。となると気になるのはどの球団に行くか。それを予測する上でポイントとなるのはポスティングのタイミングだ。
そもそも現在23歳の佐々木がメジャー移籍する場合には小さくない“壁”がある。それはメジャーリーグの労使協定によって定められたルールだ。
メジャーでは25歳未満の選手に各球団が使用できる金額が契約金や年俸など込みで、年間500万ドル(約7億2500万円)程度に制限され、マイナー契約からスタートすることが決まっている。この「25歳ルール」の存在によって、ロッテは佐々木のポテンシャルに見合うだけのフィーを得られず、ポスティング承認をしないと考えられていた。また、25歳以下の国際選手を獲得する場合には「ボーナスプール」と呼ばれる資金から捻出する必要がある。
現時点でボーナスプールを30球団で最も多く残しているのはドジャースで、250万ドル(約3億8550万円)を保持している。ここで最高額を提示した球団が契約できるポスティングを即実行した場合には、大谷翔平らを要するスター軍団の仲間入りを果たすのは「確実」とも言っていい情勢ではある。ちなみに250万ドルで契約が決まった場合、ロッテに支払われるポスティングフィーは9539万円と少額に収まる。
ただ、このボーナスプールは国際契約期限の12月15日(現地時間)にリセット。その場合には各球団一律で700万ドル(約10億5000万円)となる。そして次の国際契約期限である1月15日以降に公示がずれ込んだ場合にはドジャース以外の球団にも交渉の余地が出てくるというワケだ。
1月15日以降の公示とした場合にはロッテに支払われるポスティングフィーも2億6000万円と最大化ができる。ゆえに今回の発表に際して「正式にポスティングを許可していただいた球団には感謝しかありません」とコメントした佐々木側がどう考えているかは興味深いところである。
公示後にMLB各球団との交渉期間45日で決断を下すポスティングは「タイミングが命」と言われる。その中で佐々木がどう動くかは、フアン・ソトなどスターが多い今オフの米球界におけるFA市場の動静とともに注目したいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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