オリックスの“ムギ”谷 「Bsオリっこデー」でプロ初サヨナラ打 「サイコーでーす!!
2025年4月30日(水)5時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ オリックス3-2ロッテ(2025年4月29日 京セラD)
ゴールデンウイークに黄金ルーキーが決めた。オリックスのドラフト1位・麦谷祐介外野手(22)が29日、ロッテ戦(京セラドーム)の9回1死三塁で右前へプロ入り初のサヨナラ打を放った。チームの新人では23年の茶野以来、今季12球団の新人一番乗りの劇的打。球団の恒例イベント「Bsオリっこデー2025」初日にチームを勝利へと導き、4月の月間勝ち越しを決めた。
真っ先に「ミナトクダンシ」に襲われた。一塁を回り、両手を突き上げて歓喜を爆発させる麦谷の背中に、西川が容赦なくスポーツドリンクをぶちまける。冷たさもベタつきも、全てが快感だ。期待のドラフト1位が大仕事をやってのけた。
「サヨナラ男の若月さんが倒れちゃったんで、“自分が絶対決めてやろう”と。(手荒い祝福は)サイコーでーす!!」
2—2の9回先頭で野口が右越え三塁打。ここで過去2回のサヨナラ勝利でヒーローだった若月が三ゴロに倒れた。1死三塁でベンチには杉本やディアスらも残っていたが、岸田監督は「決めてくれ、と思っていた」と代打を送らず。剛腕・横山に2球で追い込まれるも、最後は5球目のシンカーを一、二塁間にはじき返し、見事に期待に応えた。
1年目の今春の宮崎キャンプではプロのレベルの高さに弱音を吐いた。椋木ら現役投手と初めて対戦した2月9日の練習でほとんど前に打球を飛ばせず「本当にやっていけるのかなと。自信もなくなりました」と率直に話した。ただ、もともと明るく前向きな性格。慣れるにつれて結果も出始め、プロの自覚も急速に身についた。
「本当に食うか食われるかの世界だなと。どんな結果が出ても慢心せずに。一日一日、一打席一打席を大事にしていきたいので。一喜一憂せずにこのままやっていきたい」
この日から「Bsオリっこデー2025」として子供向けのイベントを開催。選手の背ネームがカタカナのニックネーム表記となり、麦谷は「ムギ」、大阪市港区出身の西川は「ミナトクダンシ」として出場した。今季最多タイの3万6079人の大観衆の前で初のお立ち台に上がり「プロ野球選手になったんだ」と喜びをかみしめた。
チームは今季3度目のサヨナラ勝ちで4月の月間の勝ち越しが決定。首位で5月を迎えることも決まった。三拍子そろったルーキーには黄金のように輝く未来が待っている。 (山添 晴治)
【23年茶野以来の球団新人サヨナラ打】
○…オリックスは今季3度目のサヨナラ勝ち。球団新人のサヨナラ打は、23年8月2日楽天戦の茶野以来。チームはきょう30日の1試合を残して4月の首位が確定。4月を首位で通過するのは、優勝した23年以来。ロッテ戦の開幕3戦3勝は、5戦5勝した09年以来16年ぶり。