「あんな選手になりたい」イチローに憧れた“韓国の至宝”イ・ジョンフが明かしたMLBへの願望「僕は偏見を打ち破る」

2023年11月18日(土)7時0分 ココカラネクスト

WBCではダルビッシュから痛烈なヒットを放ったイ・ジョンフ。(C)Getty Images

 韓国球界が誇る至宝の挑戦が迫っている。今オフにポスティングによるメジャー移籍を狙っているイ・ジョンフ(キウム)だ。

 かつて中日で活躍したイ・ジョンボム氏を父の持つサラブレッドは現在25歳。伸びしろを残しているタイミングで海を渡る。22年シーズンには、KBO(韓国プロ野球)リーグで首位打者(.349)と打点王(113)の二冠を達成。MVPにも選ばれるなど、確かな実績を残した。

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 すでにジャイアンツ、メッツ、ヤンキースら複数球団の関心が報じられるイ・ジョンフ。その評価も上々で、スポーツ専門局『CBS Sports』は「イ・ジョンフには守備の才能もある。ジャイアンツはスター選手との契約に苦労してきたが、彼ならチームのニーズにもぴったりとハマる」とし、「まさにここから最盛期と言える25歳という若さも考え、契約は6年総額9000万ドル(約123億3000万円)で、4年目以降はオプトアウトの条項が含まれる形態になる」と高額契約を断言した。

 球界屈指の敏腕代理人スコット・ボラス氏とも契約を締結しているイ・ジョンフ。それだけに大型契約も引き出せるはずだが、当の本人に高額契約に対する欲望はない。あくまで彼の想いはメジャーでのプレーにある。

 現地11月16日に韓国の日刊紙『京郷新聞』の取材に応じたイ・ジョンフは、「契約金の大きさよりも重要なのは自分の夢」と強調。そして、「(メジャーには)挑戦しに行くのだから、いつか韓国に戻ることを考えるのは贅沢だと思う。なんとか死に物狂いで、生き残るという気持ちで適応したい」と意欲を語った。

 父親が活躍していた名古屋で生まれ、幼い頃にはイチローを目にして、「あんな選手になりたい」とメジャーへの憧れを持ったという。そして、かねてからの想いをより強くさせたのは、21年の夏に東京オリンピックでの激闘だった。

「日本やアメリカの投手たちと戦って、僕はひとつの三振もしなかった。その時に、『こんな投手たちに良い結果を出したけど、毎日対戦したらどうなのだろう』と思った。もちろんオリンピックに出ている投手よりもメジャーリーグには凄い投手がいる。だけど、本格的に意識し始めたのは、あの時だった」

 では、夢の檜舞台でどんな選手になりたいのか。彼はこう語っている。

「今、アメリカで僕が評価されているのは、コンタクトする能力と低い三振率だと聞いている。メジャーリーグはホームランをたくさん打つ打者が行く場所だと思っているけど、そんな偏見を僕は打ち破りたい。長打だけが野球のすべてじゃない。

 野球には様々なタイプの選手がいる。1番から9番までいろんな役割がある。とにかく最善を尽くして、より良い姿を見せて、将来的に韓国の後輩たちが夢を持って、アメリカに挑戦できる道を開いていきたい」

 はたして、イ・ジョンフは後輩たちの憧れの的となるような偉大な選手となれるのか。夢にまで見たメジャーでの挑戦を実現させる日は、間近に迫っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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