WEC:最終戦を3連勝で締め括ったトヨタ、「感無量。4年間戦った偉大なライバルに感謝」

2017年11月19日(日)14時47分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権第9戦バーレーンは11月18日、6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)が総合優勝を飾った。7号車トヨタ(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス)は他クラスマシンとの接触により4位となった。


 19日に行われるWECルーキーテストに参加することが発表されたフェルナンド・アロンソも見守るなかで迎えた決勝レースは、日没間近の17時00分にシグナルグリーン。4台のLMP1カーを先頭に隊列がタイトな1コーナーに飛び込んでいった。
 
 2番手、4番手の各グリッドからスタートした2台のトヨタTS050は好スタートを決めた2号車ポルシェ919ハイブリッドに一度は順位を奪われ、ライバルにワン・ツーを許すものの、スタートから15分後にこれを抜き返す。
 
 さらに、15分後の30分過ぎには8号車トヨタを駆るブエミがトップを走る1号車ポルシェを捉えて首位に浮上。続けて7号車トヨタのコンウェイもライバルをパスしてトヨタがワン・ツー体制を築いていった。
 
 1回目のピットストップではミディアムコンパウンドのタイヤを装着する8号車トヨタがブエミのまま2スティント目へ。一方、ソフトタイヤを使用する7号車はコンウェイからロペスにドライバーを交代し、同時にタイヤ交換を行なってコースに戻る。
 
 その後、タイヤストラテジーの差でピットインごとに順位を入れ替えながらポルシェ勢を徐々に引き離していったトヨタだったが、レース折り返し直前、可夢偉がドライブする7号車トヨタが2コーナーでLM-GTEプロクラスのマシンと接触。マシン右サイドにダメージを受けピットで修復作業を余儀なくされてしまった。
 
 7号車トヨタは2周遅れでコースに復帰したものの、アクシデントによりマシンバランスが悪化したことでペースが上がらず。そのまま総合4位でフィニッシュしている。


「GTクラス車両と接触してしまったのは残念です」と語るのはアクシデントに見舞われた可夢偉。
 
「僕自身、GT車両を完全に追い抜いたと判断したのですが、接触によるドライブスルーペナルティを科されてしまったことは、こちらに非があったということです」


「ポルシェGTチームにはレース後に謝罪させて頂きました。レース中は常に接触を避けるように注意しているのですが、そこまで良いレースが戦えていただけに残念です。できれば良い結果でシーズンを締め括りたかったです」と悔しい結果となった最終戦を振り返った。

夕焼けのなかを疾走する2台のトヨタTS050ハイブリッド
7号車トヨタTS050ハイブリッド
7号車トヨタの小林可夢偉(左)、ホセ-マリア・ロペス(中央)、マイク・コンウェイ(右)


 序盤から実質的な総合首位を走る8号車トヨタはレース中盤も安定したペースでリードを広げていく。スタートから4時間を迎える頃に一度、3スティント連続走行を実施した1号車ポルシェに順位を譲ったが、その1号車ポルシェがGTカーと接触してスローダウンしたことでふたたびトップに復帰。
 
 残りの2時間を危なげなく走りきった8号車トヨタが第7戦富士から3連勝すると同時に2017年シーズン最多の5勝目をあげるトップチェッカーを受けた。


 レース後、「シーズン最終戦を勝利で飾ることができ、感無量です」と村田久武チーム代表。
 
「このレースのために努力を続けてきたチームを誇りに思います。シーズン終了に際し、WECをともに戦ってきたすべてのチームと関係者、そして応援を頂いたファンの皆様に対し感謝を申し上げます」


「また、我々の偉大なライバルであり続けたポルシェLMPチームに対しても心から感謝の意を述べさせて頂きます。彼らとの4年間にわたる戦いは、私自身にとってもとても充実したものであり、ファンの皆さまにも楽しんでご覧頂けたものと思います」と2013年以来、切磋琢磨を続けてきたライバルに感謝の言葉を贈っている。


 そんなライバルを上回るシーズン5勝目を飾った8号車トヨタの一貴は「シーズン最終戦を勝利で終えられたのは格別です。我々のクルマは本当に速く、クルーも勝利に値する素晴らしい仕事で支えてくれました」とレースを振り返った。
 
「シーズン終盤、安定した速さを見せられたのは良かったです。1シーズン5勝と、終盤の3連勝は本当に素晴らしい結果です。優勝できるクルマに仕上げてくれたチームに感謝します。本当に嬉しいです!」


 また、チームメイトのブエミも「今季5勝目を挙げることができて信じられない気分だよ!」と喜びのコメント。
 
「僕らにとってもシーズン5勝は初めてのことだし、チームがどれだけ素晴らしいクルマを作ってくれたかということの証明になったはずだ」


「この瞬間を存分にかみしめたいと思っているけど、その一方で、ライバルが居なくなってしまうのはとても寂しい。とはいえ、今は厳しい努力が報われたこの勝利の瞬間を心ゆくまで味わいたいね!」


 WECの2017年シーズンは今戦で終了したが、チームは19日(日)に行われるWECルーキーテストに向けて準備をすすめることとなる。このテストでは今季LMP2クラスでタイトル争いを繰り広げたフランスの若手ドライバー、トーマス・ローランとマクラーレンF1のアロンソがトヨタTS050ハイブリッドをドライブする予定だ。

8号車トヨタが最終戦で今季5度目のトップチェッカーを受けた。
4位で2017年シーズンを終えた7号車トヨタTS050ハイブリッド
夕焼けのなかを疾走する2台のトヨタTS050ハイブリッド
2017年シーズンを戦った2台のトヨタTS050ハイブリッド。左の8号車トヨタには上海ラウンド登場した2段組カナードが確認できる。


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