WEC:8号車トヨタが3連勝で5勝目飾る。ラストランのポルシェはダブルポディウム獲得

2017年11月19日(日)4時42分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権は11月18日、シーズン最終戦バーレーン6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)が総合優勝を飾った。このレースがLMP1ラストランとなったポルシェ919ハイブリッドは2位、3位を獲得している。
 
 2017年のLMP1タイトル争いは前戦の上海で決着したものの、4勝どうしで並んだトヨタとポルシェの2メーカーがシーズン勝ち越しをかけて予選から激しい戦いを繰り広げている第9戦。
 
 迎えた決勝レースは日没直前の現地時間17時00分にスタートが切られ、前日の公式予選でポールポジションを獲得したポルシェLMPチームの1号車ポルシェ919ハイブリッドがホールショットを決める。
 
 その後方では3番手スタートの2号車ポルシェが好スタートをみせ、マイク・コンウェイ駆る7号車トヨタを交わして2番手に浮上。さらに4番手の8号車トヨタのブエミも僚友をパスして3番手につけた。
 
 そんななかスタートからわずか5分後、ターン13イン側のボラードがコース上に落ちたことからセーフティカー(SC)が導入される。
 
 このSCランは7分ほどで解除されるがリスタート後、2番手の2号車ポルシェが失速。2台のトヨタに先行を許し4番手に後退する。
 
 その後、2号車ポルシェの失速原因がコース上に落ちたボラードを車体下面に引っ掛けていることと判明したため、チームはティモ・ベルンハルト駆る2号車を緊急ピットインさせている。
 
 スタートから約30分後、1秒差でトップを追いかけていた8号車トヨタが1号車ポルシェをキャッチすると、ブエミが1コーナーでオーバーテイク。さらにグリッドからひとつ順位を落とした7号車トヨタのコンウェイもスタートから40分直前にニール・ジャニがドライブする1号車ポルシェをターン13で交わしてトヨタのワン・ツーとなった。
 
 1回目のルーティンピットでは1号車ポルシェを先頭に各車が給油のみのピット作業を行なっていくが、2番手につける7号車トヨタはコンウェイからホセ-マリア・ロペスにドライバーチェンジするとともにタイヤ交換を実施。順位を3番手に下げる。
 
 これにより2番手に順位を上げた1号車ポルシェだったがスタートから1時間26分、7号車トヨタのロペスにターン4のアウトから交わされ、ふたたび3番手に。ニュータイヤでペースに勝る7号車トヨタは勢いをそのままにトップの8号車トヨタとの差を詰めていく。

1号車ポルシェ919ハイブリッド
8号車トヨタTS050ハイブリッド
2号車ポルシェ919ハイブリッド


 スタートから1時間50分過ぎ、トップを走る8号車トヨタがピットに戻り、ドライバー交代とタイヤ交換をしたタイミングで7号車トヨタが先行。8号車トヨタが2番手、ポルシェが3、4番手というオーダーでレースは中盤へと移っていった。
 
 ピットストラテジーの差によって2台のトヨタが順位を入れ替えるなか、2番手となった7号車トヨタにアクシデントが発生。レース折り返し直前の2時間54分、小林可夢偉がステアリングを握る7号車トヨタがターン2でポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSRと接触してしまう。
 
 サイド・バイ・サイドの状態で接触した2台はともにダメージを負い、7号車トヨタはマシン右サイドカウル、アンダーパネルなどを損傷。ピットでの修復を余儀なくされ、トップから3周遅れとなった。また、92号車ポルシェはリタイアを喫している。
 
 のちに7号車トヨタに対してストップ&ゴー・ペナルティが課されたこのアクシデントによってポルシェ勢が2番手、3番手に浮上してくるが8号車トヨタのリードは変わらず。
 
 その後、1号車ポルシェがニック・タンディに3スティント連続走行をさせ、一時的にトップに立たせたものの、1号車ポルシェは4時間目前にガルフ・レーシングの86号車ポルシェ911 RSRと接触。左フロントタイヤを壊してスローダウンしたことで8号車トヨタはもちろん僚友の2号車にも先行を許し、3番手にポジションを落とした。
 
 レース終盤は後続に30秒以上のギャップを築く8号車トヨタが安定したラップを重ねてチェッカーまでマシンを運び、今季5度目のトップフィニッシュを達成。チャンピオンのポルシェを勝利数で上回ってみせた。
 
 2位は今季チャンピオンの2号車ポルシェ。僚友1号車ポルシェが3位に入り、ポルシェはラストレースをダブルポディウムフィニッシュで終えている。

ラストレースを戦った2台のポルシェ919ハイブリッド
7号車トヨタTS050ハイブリッド


 LMP2クラスではランキング上位3チームがグリッドのトップ3を占めるなか、3番手からスタートしたヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソン(ジュリアン・キャナル/ニコラス・プロスト/ブルーノ・セナ)が、レース終盤に発生した電動パワーステアリングのトラブルを乗り越えて今季4勝目を達成。
 
 ランキング2番手につけていたジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカを振り切りLMP2ドライバーズチャンピオン、チームチャンピオンの両タイトルを獲得した。
 
 LM-GTEプロクラスは前戦上海でマニュファクチャラーズタイトルを手中に収めたAFコルセの71号車と51号車、2台のフェラーリ488 GTEがワン・ツー・フィニッシュを達成。僚友に勝利を譲った51号車フェラーリ(ジャームス・カラド/アレッサンドロ・ピエール・グイディ)がダブルタイトルを決めている。
 
 今シーズン、5チームで争われたLM-GTEアマクラスは、ランキングトップのアストンマーチン・レーシング、98号車アストンマーチン・バンテージ(ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ)がポール・トゥ・ウインで有終の美。今季4勝目を記録してチームとして3年ぶりのクラスタイトルを獲得した。
 
 澤圭太を擁するクリアウォーター・レーシングは逆転チャンピオンを目指したが最終戦は2位となり、惜しくもタイトルには届かず。それでも参戦初年度から優勝し、最終戦までタイトル争いに加わるなど、存在感を十分に示したと言えるだろう。

ヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソンがLMP2チャンピオンに輝いた
LM-GTEアマクラスチャンピオンを獲得した98号車アストンマーチン・バンテージ
クリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTE


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