怒涛のごぼう抜きでポイント奪取! “ヒーローになろうとした”角田裕毅の結果をレッドブル幹部は評価「見極めていく必要がある」
2025年5月19日(月)11時0分 ココカラネクスト

決勝でごぼう抜きを展開した角田。(C)Getty Images
現地時間5月18日、F1第7戦エミリア・ロマーニャグランプリ(GP)は、伝統のイモラ・サーキットで決勝が行われ、レッドブルの角田裕毅は最後尾となる20番手扱いのピットスタートから10位入賞を果たした。
【動画】壁にぶつかってマシンは一回転 衝撃を生んだ角田裕毅のクラッシュシーン
ショッキングなクラッシュから見事なレースを見せた。前日17日の公式予選1回目(Q1)で角田は、アタックを仕掛けた際にウォールに衝突。その反動でマシンは宙を舞って、上下1回転しながら地面に落下して大破した。
メカニックたちが夜を徹して、マシンを組み立てざるを得ない状況に直面した中で、角田は「夜通し働いてくれたチームのメカニックたちのことを考えると、何も得られなかったよりはマシ」(英衛星放送『Sky Sports』での本人談)と関係者たちの想いを汲んで、必死にマシンを走らせた。
15周目に10位にまで順位を上げた角田は、11位で迎えた残り10周となったタイミングでふたたびギアを上げ、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)をオーバーテイク。最後は猛追してきたフェルナンド・アロンソ(アストン・マーチン)とデッドヒートを繰り広げながらもポイント獲得圏内を死守。見事なごぼう抜きでフィニッシュした。
戦略面で順位を上げ、レッドブル昇格後5戦で3度目のポイント獲得を果たした。ただ、当人は「昨日に大きなミスを犯してしまった自分に対して、いまだに大きなフラストレーションが残っている」と複雑な胸の内を吐露。やはり「(Q1は)ヒーローになろうとしただけだった」というクラッシュに対する反省があったのだろう。
とはいえ、チーム上層部の評価は上々だ。決勝後に独衛星放送『Sky』の取材に応じたヘルムート・マルコ博士は、「スペアパーツの状況は非常に深刻になっている」とマシンが抱える問題に懸念を示した上で、「彼(角田)自身には何も起こらなかったことに感謝したい」と角田の無事と戦略的にポイントを獲得したレース運びを称賛した。
「彼に安心とサポートを与えなければいけなかった。そして、私たちはそれを実行できたと思っている。ユウキも非常にいいレースをして、ポイントを獲得する順位でフィニッシュした。私としては、全体的に非常に満足している。タイヤの摩耗はそれほど問題にならないと思っているよ。とにかくスタートから勝てるかどうか、あるいは戦略を通して勝てるかどうかを見極めていく必要がある」
課題を抱えながらも、最低限の“結果”を残した角田。現地時間5月23日に開催されるモナコGPは追い抜きが困難とされる公道が舞台。苦戦の続く公式予選での順位が肝となるだけに、本人がマシンにどれだけアジャストできるかが注目される。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]