衝撃クラッシュの角田裕毅に「無事なのか?」 元同僚ローソンが見せた“気遣い”に称賛の声「称えられるべき振る舞いだ」

2025年5月18日(日)5時30分 ココカラネクスト

一大事に見舞われた角田の安否を慮ったローソン。(C)Getty Images

 思わず観る者の背筋が凍った。現地時間5月17日に伊イモラ・サーキットでF1第7戦のエミリア・ロマーニャGP予選が開催。レッドブルの角田裕毅は18分間のQ1でアタックを仕掛けた際にクラッシュ。翌日に行われる決勝は最後尾スタートが確定した。

【動画】壁にぶつかってマシンは一回転 衝撃を生んだ角田裕毅のクラッシュシーン

 上位進出を目論んだ矢先の出来事だった。

 トラフィックの懸念から各チームが慎重な仕掛けを見せる中、角田は残り時間13分となったタイミングでアタックに出る。前日のフリー走行2回目でエースドライバーのマックス・フェルスタッペンと0秒092差の8番手につける好走を見せていた25歳は、積極果敢にマシンを走らせた。

 しかし、左右へと曲がる第5ターンから第6ターンに入る際に、内側の縁石に左タイヤを乗せすぎた角田はコースアウト。完全にコントロールを失ったマシンは、そのまま突き進んで左側のウォールに激突し、裏返ったまま地面に跳ね返ってグラベル上で停止。無残にも大破した。

 幸いだったのは、角田が無傷で脱出できたこと。自力でコースからも脱出した本人はチームスタッフのサポートを受けながらメディカルチェックを実施。そこでも大きな怪我に至らなかったことが確認されたという。

 肝を冷やす出来事には、し烈な争いを繰り広げるライバルたちも黙ってはいられなかった。角田が昇格する前にレッドブルのセカンドドライバーを担当していたリアム・ローソンは、すぐさま無線で反応。クラッシュ映像を確認したことを明かした上で「オーマイガー! 映像を見たよ。彼は無事なのか?」と安否を確認。昨季にレーシングブルズで同僚となっていた盟友を慮った。

 ローソンにとって角田は、レッドブルのシートを争い、奪われもした相手である。そんなライバルに対する23歳の紳士的な対応には、反響が大きく広まった。

 英スポーツ専門メディア『Sport Bible』は「リアム・ローソンのユウキ・ツノダのクラッシュを受けた後の第一声は実に雄弁だった」と紹介。角田のアクシデントを「本当に恐ろしい事故だった」と描写した上で、「ツノダのクラッシュを目の当たりにしたローソンは、真っ先に日本人ドライバーの無事を確認した。これは称えられるべき振る舞いだ」と絶賛した。

 なお、角田のクラッシュによって中断となった直後、英衛星放送『Sky Sports』のフラッシュインタビューに応じたローソンは、こう振り返っている。

「予選は厳しい。そして、このコースでは、マシンを限界に近づける、もしくはそれを超えてしまえば、代償を払う必要が出る。今日、僕らが目にしたのは、まさにその結果だと思う。だからこそ、このサーキットはエキサイティングだとも言える。もちろん誰かが今日みたいにクラッシュするところなんか見たくないけどね」

 勝負の世界に生きる彼らだが、同じレーサーとして博愛の精神は忘れない。ローソンが角田に見せた何気ない気遣いは称えられていいはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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