auto sport Web Sprint Cup:雨の公式練習でふたりの若手が輝く。予選はタイヤがカギ?

2019年11月22日(金)20時14分 AUTOSPORT web

 11月22日、静岡県小山町の富士スピードウェイで、『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM 特別交流戦』の併催として開催されるGT300を中心としたレース『auto sport Web Sprint Cup』の公式練習が3セッション行われた。2回目〜3回目はヘビーウエットのなかでのテストとなり、3セッションとも鈴鹿10時間に参戦したマシンがトップタイムを記録したが、それをドライブしたのは、ジュニアフォーミュラで速さをみせた若手ドライバーたちだ。


 JAF-GT、GT300マザーシャシー、そしてGT3カーという多種多様なマシンが競い合うGT300クラスのマシンを中心に、ピレリスーパー耐久シリーズや鈴鹿10時間などに参戦したマシンが参加している『auto sport Web Sprint Cup』。11月21日からピットにマシンが運び込まれ、いよいよ22日から本格的な走行がスタートしたが、9時10分からの公式練習1回目、そしてその後の公式練習2回目〜3回目と、いずれもウエットコンディションでの走行となった。


■キャラウェイ・コルベットで速さをみせた笹原


 そんななか、野太いV8サウンドを響かせたイエローのキャラウェイ・コルベットC7 GT3/Rをドライブし、1分50秒807というタイムをマークしたのは、「昨日ヨーロッパから帰国したばかり」という笹原右京だ。


 今季はポルシェカレラカップ・ジャパン、FIA-F3アジアでチャンピオンを獲得し、11月のモータースポーツ・ゲームスでも初めてのGT3カーながら濱口弘とともに金メダルを獲得するなど、乗りに乗っている笹原だが、ここでも初めてのFRのGT3カーながら、その光る速さをみせた。


「BHオークションとBINGO RACINGの代表で、今回パートナーとなる武井真司さんからお話をいただき、縁があってドライブすることができました。ただ、今回スケジュールがタイトで、昨日羽田に着いて、そのまま富士に直行してシートを作って、コクピットの操作を覚えてサーキットを出たのが23時くらいだったんです。いま時差ボケ中です(笑)」と笹原は走行後、笑顔で語った。


「キャラウェイ・コルベットは、乗る前はフロントヘビーでクセがあるんじゃないか……と勝手に想像していたのですが、乗ってみたら意外にもバランスが良くて。素直に走ってくれている印象ですね。それに何よりパワーがすごいです。下のトルクが力強いんです」


 そんな笹原だが、コルベットも初めてながら、FRのレーシングカーも初めて。さらにスーパーGT用のヨコハマを履くのも初めてだ。


「その状況のなかで、結果的にはタイムが出せたので良かったですね。チームがしっかりとしたクルマを用意してくださったおかげだと思います。まだドライを走っていないですし、いきなりがドライの予選かもしれませんが、楽しみですね」と笹原は笑顔で語った。

笹原右京がドライブするBH AUCTION CORVETTE GT3
笹原右京


■初GT3のマクラーレンを駆った小高


 一方、公式練習2回目でトップタイムをマークしたのは、今季全日本F3選手権に参戦したほか、TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GTでスポット参戦した小高だ。初のGT3カーとなるPlanex スマカメ マクラーレン720Sを駆り、堂々の走りをみせた。


「鈴鹿10時間では石浦宏明選手とミカ・ハッキネン選手に乗ってもらいましたが、石浦選手は今回GT500で乗りますし、ハッキネン選手も忙しい。そこで小高選手に乗ってもらうことになりました」というのはチームメイトの久保田克昭。


 こうしてドライブすることになった小高だが、「GT3カーに乗るのが初めてですし、プリウスはドライしか走ったことがないんです。でも今回は、ウエットしか走っていないので、なかなか比較が難しいですね(笑)」とマクラーレンについて語った。


「公式練習1回目では、硬めのタイヤで少し苦しみましたが、ソフトよりにした2回目では良くなりました。フォーミュラと比べても単純に重いですが、そこまで難しい感触はなかったです。クルマも乗りやすいですし、予選、決勝とも全力で戦って、いい結果が残せるようにしたいと思います」


 鈴鹿10時間では多くの話題を集めながらも、性能調整もありなかなか上位進出はならなかったPlanex スマカメ マクラーレン720S。しかしスーパーGT第8戦もてぎでもMcLaren 720Sが速さをみせたとおり、性能調整も緩和され「すごく乗りやすくなっている」と久保田も語る。レースに向けて注目の存在だろう。

Planex スマカメ マクラーレン720S


■予選はタイヤのウォームアップがカギ?


 そんなauto sport Web Sprint Cupだが、11月23日(土)には8時40分から公式予選が行われ、AドライバーとBドライバーのタイムを合算しグリッドが決まる。ただ、笹原の言葉にもあるとおり、まだこの時間帯は雨が残る可能性もある。


 しかも、今回スーパーGT×DTM特別交流戦で使用されているハンコックのワンメイクタイヤとは異なり、スーパーGT用タイヤがそのまま使用されるauto sport Web Sprint Cup。シリーズ戦で見ても分かるとおり、タイヤのウォームアップにはある程度の周回が必要だ。


 ただ、公式予選ではAドライバー、Bドライバーともそれぞれ10分間しかアタックできない。「ウォームアップしているうちにチェッカーになってしまいそう」という声も聞かれており、まずは予選からいかにタイヤに熱を入れ、アタックできるかがまずはカギになりそうだ。

11月22日に行われた『auto sport web Sprint Cup』公式練習1


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