F1シート喪失のシューマッハー長男の今後は? 父がF1王者の選手は大成するか

2022年12月5日(月)17時32分 ココカラネクスト

ミック・シューマッハー(ハース提供)

 F1世界選手権の来季ドライバーラインアップが年越しを待たずに確定した。10チーム全20人。引退したセバスチャン・ベッテル(ドイツ)ら4人がシートを死守できなかったが、その中に元王者ミハエル・シューマッハーを父に持つミック・シューマッハー(ドイツ)も入っていた。

 ハースから2シーズンにわたって参戦したが、非力なマシンにてこずって入賞はわずか2回。今季もランキング16位と振るわず、チーム側も再契約を交わさないことを決め、後任には同じドイツ人で1度はF1のレギュラーシートを失ったニコ・ヒュルケンベルグが起用されることになった。

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 今季はチームのエースのケビン・マグヌッセン(デンマーク)が開幕戦バーレーンGPで5位を獲得するなど入賞5回。F1関係者は「シーズン序盤のサウジアラビアとモナコでマシンを全損させ、数百万ユーロ(数億円)の損害をチームに与えたことが大きかった。その後も経験豊富なマグヌッセンと比べて速さが物足りなく、安定した成績を残せなかった」と指摘する。「シューマッハー」という絶大なネームバリューがありながら背に腹は代えられなかったといえる。

 F1王者を父に持つ2世ドライバーのF1戦績はどうか。成功例は2人。グラハム・ヒルを父に持つデーモン・ヒルは1996年にウィリアムズでタイトルを獲得。ケケ・ロズベルグの長男ニコ・ロズベルグもメルセデスの一員として2016年にチャンピオンに輝いた。

 逆に鳴かず飛ばずだったドライバーもいる。ジャック・ブラバムを父に持つデビッド・ブラバム、ゲイリー・ブラバムの兄弟、マリオ・アンドレッティのDNAを受け継ぐマイケル・アンドレッティもF1では大成できなかった。ネルソン・ピケJr.も2年でF1を去った。このほかに、F1にすらたどり着けなかったジュニアもいる。

最終戦アブダビGPのミック・シューマッハーの走り(ハース提供)

 今季王者のマックス・フェルスタッペン(オランダ)も2世ドライバーだが、父ヨスは8シーズにわたってF1に参戦しながら1勝もできなかった。

 ミックはF1にデビューする前にF2選手権、欧州F3とシリーズチャンピオンを獲得しており、下部カテゴリーでは十分な実績は残している。F1はマシンの良し悪しがレース結果を左右するだけに、本当の実力を評価しにくいともいわれている。ひとまず浪人の身となるが、将来を見越してメルセデスがリザーブドライバーとして獲得に動いているとの噂のもある。

 父ミハエルは引退後の2013年にスキー事故で頭部を負傷。一命は取り留めたものの、事故後は治療に専念し、公の舞台に一度も姿を見せていない。秘密のベールに包まれている健康状態は世界の関心事でもある。

 今後もミックの口から父の容体について明かされることはなさそうだが、F1の世界とは切っても切れない関係の親子鷹でもあり、今後の去就が注目を集める。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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