全日本ロード:JSB1000に参戦した水野涼がハルク・プロ卒業。2021年は海外選手権に参戦か?

2020年12月11日(金)20時30分 AUTOSPORT web

 12月11日、全日本ロードレース選手権に参戦しているMuSASHi RT HARC-PRO.は2021年の参戦体制を発表した。この発表により水野涼がチームを卒業することがわかり、海外選手権に参戦する可能性が濃厚となった。


 水野は全日本ロードに参戦している現在22歳のライダーだ。地方選手権などでキャリアを積んだ後、2013年から全日本ロードJ-GP3クラスに参戦を開始して2015年に5レース中3勝でJ-GP3チャンピオンを獲得。また、この年はMotoGP第15戦日本GPでMoto3クラスにワイルドカード参戦も経験した。

2015MotoGP第15戦日本GP Moto3クラス:水野涼(Musahi RT Harc-Pro)


 2016年からはJ-GP2クラスに参戦して2年目となる2017年に7戦中5勝を挙げる強さを見せてチャンピオンに輝いた。そして2018年から最高峰クラスのJSB1000クラスにステップアップして初年度はランキング11位、2年目は4位と成績を上げる。


 2020年はホンダCBR1000RR SP2から新型のホンダCBR1000RR-Rに乗り換えてランキング4位となったが、水野は全日本ロードの参戦と並行してホンダワークスのテストライダーも担当。7月に鈴鹿サーキットで行われた2輪4メーカー合同テストなどでは、Team HRCから参加してファクトリー仕様のマシンをライディングしている。

水野涼(Team HRC)/鈴鹿2輪4メーカー合同テスト


 国内におけるホンダの若手トップライダーとして活動している水野だったが、MuSASHi RT HARC-PRO.は2021年にハルク・プロの新エースライダーとしてJSB1000クラスに名越哲平を指名。水野はチームを卒業することとなった。


 このことについてMuSASHi RT HARC-PRO.の本田重樹監督は「JSB1000クラスの水野涼は2021シーズン、ライダーのキャリアにおいて重要な次のステップへ進むこととなり、チームを卒業しますが、若手のライダー育成を担う私共としては、水野涼の今後のさらなる成長と活躍を期待致します。水野の後はST1000クラスで活躍した名越哲平が継ぎ、JSB1000クラスを戦います。水野同様、トップシーンで活躍してくれることと期待しています」とコメントした。

2020全日本ロードJSB1000クラス:ホンダCBR1000RR-Rを駆る水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)


 そんな水野の来季の去就は判明していないが、本田監督のいう通り「重要な次のステップへ進む」ことになるのだろう。考えられる選択肢としては、近年では全日本ロード出身の日本人ライダーが参戦するアジアロードレース選手権(ARRC)の参戦、まだ体制を発表していないスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦しているMIEレーシング・ホンダ・チームへの加入、あるいは2018〜2019年まで全日本ロードのJSB1000クラスでワークス活動したTeam HRCが再度復活して水野が加入するなどの道があるが、これらの選手権に参戦する可能性は低いだろう。

2020全日本ロードJSB1000クラス:水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)


 Honda Racing UKは水野が12月初めの週末にポルティマオで行われたブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)のシェイクダウンテストに参加したことを明かしているほか、アンドリュー・アーウィンがHonda Racingを去ることが決まっているためBSBへの参戦が一番有力な情報となる。

2020全日本ロードJSB1000クラス:ホンダCBR1000RR-Rを駆る水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)


 もし水野がBSBに参戦すれば、2008〜2009年と2012年を除き2004年から2016年まで長年参戦して2006、2007、2010年とBSB王者に3度輝いた清成龍一に続く日本人の参戦となる。水野がどの選手権にどのチームから参戦するのか大いに注目したい。



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