引退試合でも沸かせた松井大輔 ”粋な”アシスト連発で「W杯の名シーン」を再現
2024年12月18日(水)7時29分 ココカラネクスト
松井(右)は本田(左)へのクロスでW杯南アフリカ大会のゴールを彷彿させるシーンを演出した(C)産経新聞社
サッカー元日本代表MF松井大輔の引退試合「松井大輔引退試合-Le dermier dribble〜STARSEEDS SPECIAL MATCH〜」が12月15日、神奈川県横浜市のニッパツ三ッ沢球技場で開催された。
【動画】香川真司を吉田沙保里がタックルで捕獲!面白すぎる退場シーンをチェック
今年2月、現役引退を表明した松井。Jリーグ入りは2000年、高校サッカーの名門・鹿児島実業高を卒業後、複数クラブからのラブコールを受ける中、当時、憧れの存在だった“キングカズ”こと三浦知良が在籍していたJ1京都に入団。巧みなドリブルと相手の意表を突くトリッキーなプレーを持ち味に存在感を見せるとアテネ五輪代表に選出され、大会後にフランス1部リーグ「ルマン」に移籍。
その後は国内外の複数クラブで活躍し、2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会では16強入りの原動力に。2021年にはJリーグとフットサルの「二刀流」にも挑戦した。
そんな松井の引退試合には豪華メンバーがずらり。代表でプレーした仲間を中心とした「JAPAN DREAMS」からは本田圭佑、小野伸二、香川真司、大久保嘉人らがスタメンに、昔からの戦友や元チームメイト、ゲストで構成された「MATSUI FRIENDS」からはカズ、酒井高徳(ヴィッセル神戸)らが先発出場。松井は前後半で両チーム交互に出場して現役時代さながらのドリブル突破やオーバーヘッドを披露。7ゴールを挙げて会場を沸かせた。
またゴールだけでなく粋なアシストでもファンを魅了。前半スタートは「MATSUI FRIENDS」で先発したが39分からは「JAPAN DREAMS」で右MFとして出場。1トップには本田、左MFには大久保と何かが起こりそうなW杯南アフリカ大会のカメールン戦と同じ3トップが並んだ。すると40分、松井が右サイドからクロスを挙げると本田が左足を振り抜きネットを揺らした。W杯南アフリカ大会の本田のW杯初ゴールを彷彿させるシーンだった。
「最初、あのシーンを再現することを知らずに……。大ちゃん(松井)出てきてボールを持った時に周りが『ファー、ファー』って言っていて『どういう意味やろ』って。『ワンツーで崩した方が崩せるやろ』って思いながら2、3秒くらい時間差で気付いた(笑)。初めてのW杯で初めて決めたゴールなので一番大きい(記憶に残っている)ゴール」と本田。
また、試合終了間際には「MATSUI FRIENDS」の元レスリング日本代表の吉田沙保里がゴール前で香川にタックルをしかけてレッドカード。PKを得た「JAPAN DREAMS」は松井がキッカーに駒野友一を指名。駒野といえばW杯南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦・パラグアイ戦でPKを失敗し、試合後に泣き崩れて松井に支えられる姿が話題に。
「バーに当てるなよ」と松井からジェスチャーを交えてプレッシャーをかけられる中、駒野は冷静にゴール左上にボールをたたき込んだ。歓喜に沸く最高のクライマックスとなった。「最後おいしいところを持っていかせてもらいました」と駒野は笑う。
「駒ちゃんは小学校6年生から一緒にサッカーをしてきた仲間なので、そういう意味も込めて早めにPKを払拭できればいいなと思い演出させていただきました。W杯でPKを外した後、(駒野が)普通の生活ができなかった時期もあって。うまく人生を先に進めることができればいいなって思ったので」
サッカーだけでなく、試合の演出でもファンタジスタぶりを発揮した松井。歓喜あり涙ありのW杯の名場面の再現という粋なアシストで自身の引退試合に訪れたたくさんのファンを魅了し、華を添えた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]