F1のパワーユニットにホンダの名前が2年ぶり復活!ただし、遅きに失したとの声も

2022年12月23日(金)13時15分 ココカラネクスト

今季の最終戦アブダビGPでのレッドブルの集合写真((c)RedBull Content Pool)

 国際自動車連盟から発表された来季のF1エントリーリストで、チャンピオンチームのレッドブルレーシングと、角田裕毅が所属するアルファタウリのパワーユニット(PU)名が「HONDA RBPT」と登録され、2シーズンぶりにホンダの名称がF1に復活することになった。ただし、業界内では遅きに失した判断だったという声が大きい。

 ホンダは2021年限りでワークス活動を終了したが、今季もPU製作を継続。同社のモータースポーツ統括会社「ホンダ・レーシング」が下地となってレッドブルのPU製造会社「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」にPUを供給し、技術支援する体裁を取った。

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 実質的にはホンダのPUが搭載されるマシンでレッドブルのマックス・フェルスタッペンがシリーズ2連覇を達成し、製造者部門も制したものの、登録上はホンダの名称が出ない形となっており、F1でチャンピオンを取ったと大々的に名乗ることができず、マーケティングや広告で大損をしたといわれている。

 F1ジャーナリストのルイス・バスコンセロス氏も「今季は22戦中17勝もしたのに、チャンピオンナンバー『1』のマシンを使ってマーケティングや広告に生かすことができなかった。これは経営陣の大きなミスと言わざるを得ない」と指摘した。

シリーズ2連覇を果たしたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(()RedBull Content Pool)

 F1の活動が中途半端に映るのは、12月12日にホンダが開いた来年のモータースポーツ活動発表会において、新たなパワーユニット規則が導入される2026年に向けてホンダとして製造者登録を済ませたことが明らかになった点だ。4年後には再びPUメーカーとして正式にF1復帰する可能性が濃厚となったことを意味する。

 それなら2021年を最後にF1活動を終了するとわざわざ宣言する必要はなかった。有償のカスタマーPUの供給に切り替えてF1プロジェクトを続けるとアナウンスし、今年から「HONDA RBPT」のPU名で戦っていれば、少なくともF1を国内外のマーケティングに生かせたはずだ。

 今季は王者だったメルセデスが車体の開発に失敗し、ストレートエンドで車体が上下動するポーポイズ現象への対応が遅れたことからレッドブルがシーズン17勝を挙げる大圧勝を遂げた。が、レッドブルはバジェットキャップ(チーム活動予算制限)規則に違反していたことからペナルティーで空力開発の時間を削られることになり、今季のような勝ちっぷりを見せられない恐れもある。

 あえて繰り返すが、F1の正式記録では今季、レッドブルをチャンピオンに導いたPUは「RBPT」。ホンダの名前は一切出てこない。ホンダ社内の手際の悪さはやはり否めない。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

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