【尚志】“福島の星”悲願の日本一へ 注目DFチェイス・アンリに仲間も触発<第100回高校選手権>

2021年12月27日(月)16時52分 サッカーキング

U-22日本代表にも招集されている尚志DFチェイス・アンリ [写真]=吉田太郎

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 第100回選手権で初の日本一を狙う“福島の星”が尚志だ。

 東日本大震災発生後の2011年度選手権で復興・復旧を目指す福島県の人々に勇気を与える県勢初の準決勝進出。2度目の準決勝進出を果たした2018年度選手権は、青森山田との東北勢対決でPK戦の末に敗れたものの、FW染野唯月(現:鹿島アントラーズ)がハットトリックを達成し、どのチーム、どの選手よりも輝きを放って大会を終えた。

 今回の選手権は再び多くの人々を感動させ、結果も残す可能性がある。高校生ながらU−22日本代表の一員としてAFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選で躍動した“怪物”CBチェイス・アンリを筆頭に、いずれも技術力が高いMF松尾春希(3年)とMF新谷一真(3年)のダブルボランチ、アンリとCBコンビを組む強靭なDF安江海ラウル(3年)、万能型のFW村上力己(3年)ら攻守にバランスが良く、控えの層も厚い。初の全国制覇を十分に狙える陣容だ。

 青森山田のMF松木玖生と並び、今大会の主役候補に挙げられるアンリの存在は大きい。攻守における空中戦の強さは規格外。相手をねじ伏せるような球際の強度は、強すぎてしばしばファウルを取られてしまうことがあるほどだ。また、仲村浩二監督の指導によって1対1や1対2での守備対応も向上し、相手にパスを出させてインターセプトする回数も増えている。

 そのアンリに注目が集中しているが、チームメイトたちはアンリを信頼し、逆に自分たちも“見られる”ことを良いモチベーションにしている。主将のFW松本勇斗(3年)は「(アンリは)凄いですし、いてくれるだけで安心感がありますけれども、そこ(アンリのところで)で負けないというチームの雰囲気がある。注目されているからこそ、勝つというのもありますし、『絶対にやってやる』というチーム状態でもあるので」と前向きだ。

 無名だった中学時代から尚志で進化を加速させたアンリは「全てにおいて、この尚志のおかげで自分が成長して、本当に感謝しています」という。その仲間たちと戦う最後の選手権。「(決勝で)松木玖生とやりたいです。ぶっ潰したいです。最後なので、本当にみんなが目指している全国制覇をやらなければいけないと思うので頑張ります」と力を込めた。

 初の日本一が期待されたインターハイはアンリ中心に日章学園を無得点に封じながら、決定力を欠いてPK戦で初戦敗退。大目標の一つに掲げていたプレミアリーグ昇格もプレーオフでJFAアカデミー福島U−18に0−0からのPK戦で敗れて実現させることができなかった。最後の大会への選手たちのモチベーションは非常に高い。第100回の選手権で必ず目標を達成する。

取材・文=吉田太郎

サッカーキング

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