ヘリ墜落事故の時は「無力だった」…レスター守護神、会長との思い出語る

2018年12月29日(土)11時58分 サッカーキング

故ヴィチャイ氏(左)とシュマイケル(中央)とモーガン(右) [写真]=Getty Images

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 レスターのデンマーク代表GKカスパー・シュマイケルが、同クラブの会長だったヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏との思い出を振り返った。イギリスメディア『スカイスポーツ』が28日に伝えている。

 レスターをプレミアリーグ初優勝の歴史的快挙に導いたスリヴァッタナプラバ氏は、今年10月27日、搭乗したヘリコプターが墜落し亡くなった。

 シュマイケルは、その事故を最も近くで目撃していた一人。同選手は、搭乗者を助けるため危険を顧みず炎の中に飛び込もうとしたが、警察に制止されたという。

『スカイスポーツ』のインタビューに応じたシュマイケルは次のように同氏との思い出を振り返った。

「僕は絶えず自分の能力を証明しなければならない状況にいたんだ。約6年間で9クラブを経験していて、僕を信じてくれる人を探していた。そして僕のプレーを見た瞬間から僕に居場所を与えたいという人が現れたんだ。彼と彼の家族は僕をはじめから信頼してくれた」

「お金、名声、成功のこの世界に巻き込まれるのは非常に簡単。彼はそれらをすべて手に入れていた。でも、そういったことについて関心がない男だった。彼は人々を助けることだけを考えていたんだ」

「彼はフットボールクラブを買う必要はなかったと思う。決して良い事業投資ではないからね。彼はお金を稼ぐためにフットボールに参加していなかった。常に『Give』と言ったいたよ。病院への寄付をはじめ、彼はレスターというクラブ、いやレスターの街に対する情熱を持っていたんだ」

 またシュマイケルは会長との印象的な出来事を語った。

「僕が足を骨折したとき、僕はロンドンにいなければならなかった。ただ、その日僕たちはプレミアリーグ復帰初戦の、第1節マンチェスター・C戦が控えていたんだ(レスターは2013−14シーズンに2部で優勝して、プレミアリーグに昇格していた)」

「僕は試合を見るのは諦めていた。すると会長が病院にやって来て、一緒に試合を観戦するために僕をヘリコプターに乗せてレスターまで飛んで行ったんだ。彼はそんなことをする必要はなかった。でも僕のためにしてくれたんだ」

 そして、同選手は墜落事故の当時の状況等についても話した。

「残念ながら、細かい部分まで全てを覚えている。試合後、デンマークから来た家族にスタジアム内を案内して、ピッチ上から飛び立つヘリコプターを一緒に見送っていたんだ」

「だがヘリコプターは間もなく制御を失い、スタジアム外に墜落したんだ。すぐに通路から駆け出して、墜落した方に走った。警察を呼ぶように周囲に叫びながら飛び出したんだ。警備員の一人は僕を見て後ろをついてきてくれていたね」

「近くまで行くことができて、警備員は僕よりも近くまで行った。彼は何かしようとしていたが、爆発の熱によって誰も何もすることができないのは明らかだった。僕は無力だった、そして本当に(事故は)恐ろしくて酷いことだった」

サッカーキング

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