国見が選手権に12年ぶり帰還 新たに積み上げた“スタイル”で白星を

2022年12月29日(木)9時45分 サッカーキング

国見の10番を背負う北村

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 戦後最多タイの高校選手権優勝6回、2000、2001年度に選手権連覇、そして2000年度の3冠(選手権、インターハイ、国体)など特別な歴史を持つ国見(長崎)が、12年ぶりに選手権の舞台に戻ってきた。

 最後に全国制覇したのは平山相太(元FC東京など)や中村北斗(元アビスパ福岡など)らを擁し、筑陽学園(福岡)との決勝を6−0で制した2003年度。だが、2007年度に連続出場が『21』でストップすると、2010年度に23回目の選手権出場を果たしたあとは全国大会どころか、県大会決勝からも遠ざかってしまう。かつて国見の黄金期を築いた小嶺忠敏監督(2022年1月に他界)率いる長崎総科大附など、私立勢の台頭に押され、苦しい時期が続いた。だが、伝統校は周囲のサポートを受けながら地道に強化を継続。そして、OBで元Jリーガーの木藤健太監督就任5年目の今年、ついに選手権復帰を果たした。

 創成館との県予選決勝は後半ラストプレーの決勝点で劇的な優勝。木藤監督は、優勝の瞬間の心境について「国見高校が全国の強豪校の中で戦える、これからだ、という気持ちが大きかったですね」と振り返る。

 かつて、国見は堅守速攻と前線へのロングボールを生かした戦い、そして圧倒的な走力によって高校サッカー界をリード。だが、木藤監督は就任当初からボールを大事にするスタイルを志向し、それを年々アップデートさせてきた。国見の伝統的な良さを残しながら、戦い方を変化。その新スタイルの中心人物が、U−17日本代表候補歴を持つ10番MF北村一真(3年)だ。

 1年時からボランチのレギュラーを務める北村は左右両足のキックに秀で、プレースキックからのアシストも増加。一時期は代表選手の肩書で空回りしてしまっていたこともあったが、現在はプレーを楽しみながら、積極的な動きでチームに精度とアイデアを加えている。台頭してきたMF濱田渉帆(3年)、ボールを引き出す動きの上手いMF川添空良(3年)が並ぶ中盤の質はチームの生命線だ。

 北村は「自分は両足のキックだったり展開力だったり、セットプレーのキックの精度であったり、そこを3年間積み上げてきたので見てほしいと思います」とコメント。また、チームリーダーのDF上田陽南太(3年)は「昔と形は違うけれど、国見らしいサッカーをして、しっかり自分たちのサッカーをしながら、見ている人たちを楽しませるサッカーをしていきたい」と誓う。12年ぶりの選手権。現代の国見らしくボールを大事に繋ぎ、相手の守りを崩してゴールと白星を奪い取る。

サッカーキング

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