地味な3年目・新庄監督がみせた、今年一番の歓喜…報知カメラマンの年イチショット2024
2024年12月31日(火)10時15分 スポーツ報知
10月13日、ロッテとのCS第2戦、万波の一発にベンチを飛び出す新庄剛志監督(右)(カメラ・越川 亘)
就任3年目の日本ハム・新庄剛志監督。今年は当初の派手なイメージと対照的で、写真にするのに本当に苦労した。
沖縄・名護春季キャンプを取材したが、練習はもちろん、試合や会見でもパフォーマンスなし。監督を見逃さないように気をつけていたが、キャンプ中に紙面で新庄監督が大きく登場したのは、山崎福也のブルペンで打席に立った時だけだった。
シーズンが始まってもベンチでのアクションは少なく、試合前のメンバー交換で相手チーム監督、審判とハイタッチする程度。さらにベンチでは大きなマスクをしているため表情が分からず、写真にすることが難しい日々が続いた。
ペナントレースは優勝したソフトバンクに大きく離されたが、ロッテとの2位争いを制して本拠地・エスコンフィールドでCSファーストステージを戦った。初戦は先発の佐々木朗希に0封され、三塁側カメラマン席から狙うも新庄監督はまったく動かない。第2戦も9回1死までほとんど変化無し。連敗で敗退かと思われたその時、万波がロッテの守護神・益田から同点本塁打を決めた。
万波の振り切った向こうに、新庄監督が大喜びでベンチを飛び出す姿が見えた。万波を追うのをやめて指揮官に集中する。ガッツポーズに続いてバンザイ、歓喜の中心は新庄監督だ。
カメラマンは常に、経験と勘をもとに撮影する前に頭の中で絵を描いている。敗戦濃厚の場面ながら、「9回に万波に打席が回る。同点本塁打で新庄監督が喜び爆発」の可能性を想定していた。きっちりその通りになって、はまった写真が撮れた。
新庄監督の「選手ファースト」という思いなのか、勝利の試合でもあまり目立つことはない。絵になる男なので、来年はもう少し目立ってほしいと願っている。(記者コラム 写真部・越川亘)