私は39年間、厚生年金を払ってきましたが、第3号被保険者の家内は特別支給の老齢厚生年金を受給できるのでしょうか

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、第3号被保険者も「特別支給の老齢厚生年金」をもらえるのかについてです。

Q：私は39年間、厚生年金を払ってきましたが、第3号被保険者の家内は特別支給の老齢厚生年金を受給できるのでしょうか

「私の妻は昭和38年2月生まれで第3号被保険者です。私は39年間厚生年金を払ってきましたが、家内は特別支給の老齢厚生年金を受給できるのでしょうか。もし受給できるとした場合、いつから受給可能でしょうか」（パチさん）

A：妻の第3号被保険者期間が39年でも、第3号被保険者期間以外に、厚生年金の加入期間が1年ある場合は、特別支給の老齢厚生年金を63歳から受け取れます

老齢年金（老齢基礎年金と老齢厚生年金）は原則65歳から受給できますが、特別支給の老齢厚生年金は、60歳から65歳になる前に受給できる年金です。
第3号被保険者とは、会社員や公務員に扶養されている20歳から60歳になるまでの人が該当します。第3号被保険者の期間は、扶養されている人（妻）の国民年金保険料をすべて納めた扱いとなり、妻は65歳から老齢基礎年金が受け取れることになります。
相談者「パチ」さんの妻の第3号被保険者期間が39年でも、厚生年金の加入期間が1年以上あり、生年月日などの下記要件を満たしていれば、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受給できます。

特別支給の老齢厚生年金の受給要件

・男性：昭和36年4月1日以前生まれ。
・女性：昭和41年4月1日以前生まれ。
・老齢基礎年金の受給資格期間（10年）がある。
・厚生年金保険などに1年以上加入していた。
・生年月日に応じた受給開始年齢に達している。

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢

特別支給の老齢厚生年金は生年月日と性別によって、受給開始年齢が異なります。

なお、妻の厚生年金の加入期間が1年なくても、1カ月以上加入期間があるのであれば、65歳に達すると、妻は本来の老齢厚生年金を受け取れます。
監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)