トイレットペーパーは相変わらず「盗まれるほど人気」らしい 道の駅から道の駅へ...伝播していく「皮肉な張り紙」

2022年2月9日(水)8時0分 Jタウンネット

ある道の駅に設置されたユニークな張り紙がネット上で話題を集めている。それがこちらだ。

「トイレットペーパー販売中」と書かれている。販促POPかと思いきや、続く文言は以下の通りである。

「盗まれるほど人気な当駅のトイレットペーパー!
あまりにもご好評なので販売することとなりました。
道の駅あわじのトイレットペーパーをご自宅でも使用したいというお客様
お手数ですが、土産店レジまでお持ちください。
50円/個」

トイレットペーパーがあまりにも盗まれるので、1個50円で販売するという告知なのだ。

明石海峡大橋の真下にある「道の駅あわじ」(兵庫県淡路市)で掲示されたこの張り紙は、2022年2月6日にあるユーザーがツイッターに投稿したことで注目され、「うまい皮肉である」「今年1番の皮肉文章だ」「このユーモアセンス、金メダルだね」と称賛の声が寄せられている。

では、張り紙の効果はどれほどあったのか。Jタウンネット記者は8日、淡路観光開発公社道の駅あわじの営業推進部企画・広報課の担当者に話を聞いた。

盗難は落ち着いたけど...

まず、道の駅あわじでのこれまでの盗難被害の状況を聞くと、

「トイレは敷地内にあるのですが、24時間開放していることもあってか、トイレットペーパーがなくなることが多かったんです」

と担当者。当然、これまでにも対策を行ってきたという。

「以前は『盗難は犯罪です!』といった厳しい言葉を書いた張り紙を設置したこともありました。ただ、効果はなかったです......」(担当者=以下同)

そこで、これまでの対策と一線を画し、「面白くてクスっとくるもの」を狙って設置したのが今回の張り紙だった。

「トイレットペーパーを販売する張り紙は女性トイレで昨年6月、男性用では先月から設置しています。
張り紙の設置で以前に比べると盗難はちょっと落ち着いています。前の張り紙に比べたらかなり良いです」

さらに、今回の張り紙は思わぬ「お客さん」を生んでいるという。

「トイレットペーパーを本当に買う方もいらっしゃるんです。私が接客を担当したときも1〜2回いらっしゃいました。
当駅でキャンピングカーも見かけますし、もしかしたらキャンプで使うのに必要で買っていかれたのかもしれません」

本当にトイレットペーパーを購入する人がでてきた上、ネット上でも注目されたことで、担当者には新たなアイデアも生まれたらしい。

「せっかく皆様から注目を頂いたので、今後は当駅のトイレットペーパーをお買い上げ頂いたお客様に感謝の気持ちを込めたメッセージカードを付けてお渡ししようかと考えております!」

と今後の展望を明かした。

トイレットペーパー販売は伝統芸だった!?

盗難被害を逆手にとったユニークな張り紙を設置した道の駅あわじだが、実は張り紙には元ネタがある。

「昨年6月ごろに、熊本県にある道の駅・水辺プラザかもと(山鹿市鹿本町)で、『盗まれるほど大人気』『ご好評につき販売することとなりました』と書かれた張り紙を設置しているとネットニュースで見かけました。これを見て、面白くて素敵だなと思って、ネタをいただきました」

複数メディアの報道によると、水辺プラザかもとでは、

「当店で使用しているトイレットペーパーは盗まれるほど大人気! そのため、ご好評につき販売することになりました!」

との文言が使用された張り紙を設置しているという。文言もさることながら、値段も1巻50円と道の駅あわじとそっくりだ。

そして、水辺プラザかもとも別の場所の張り紙からインスパイアを受けているという。20年10月2日にJタウンネットでも取り上げた茨城県城里町にある「道の駅かつら」の張り紙だ (「盗まれるくらい『好評』です」 道の駅でトイレットペーパーの大量盗難→嫌味で値段をつけてみたら予想外すぎる展開に...」)。

4連休の間に大量のトイレットペーパー(90〜120個)が盗まれたため、テレビで紹介されていたホームセンターでの盗難対策を実施したのだという。結果、こちらでもトイレットペーパーを購入する人が現れたそうだが......。

各地の道の駅で採用されつつあるトイレットペーパー盗難防止の張り紙。もはや伝統芸の域になりつつあるのかもしれない。

Jタウンネット

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