犬に800回噛まれ顔面を失った女子大生「顔から皮膚が垂れ下がるのを感じた」 希望失わず、将来は犬の訓練士に

2023年3月12日(日)11時0分 tocana

 米テキサス州の大学生ジャクリーン・デュランドさんは、2021年に猛犬に800回以上噛みつかれ、鼻、耳、唇、頬をもぎ取られた。


 彼女が襲われたのはドッグシッターをしていた夫婦の家。ドアを開けたジャクリーンさんは、ボクサーとピットブルのミックス犬のベンダーとジャーマンシェパードのルーシーに押さえつけられ、廊下からリビングルームに引きずり込まれた。


 それ以前にジャクリーンさんは一度2匹とは顔を合わせたことがあり、「かわいい」と好印象を抱いていた。2匹の豹変ぶりになす術もなかったという。


「顔から皮膚が垂れ下がるのを感じたとき、私はただ、死ぬかと思いました」(ジャクリーンさん)


 玄関のドアが開けっ放しになっていたため警報が鳴り、警察官が到着したのは襲撃から30分も経ってからだった。その間2匹はジャクリーンさんを噛み続けていた。しかも、警察官が現場に到着しても、すぐに彼女を救出することはできなかった。攻撃的な犬たちに、警官らは手出しできず、救出まで37分間掛かった。


 その後、ジャクリーンは30%の血液を失った状態で病院に運ばれ、7時間の緊急手術を受けた。何度も蘇生措置が行う必要がある壮絶なオペを経て、1週間昏睡状態に陥った後、60日後に退院することができたが、彼女の顔面は原型をとどめないほどめちゃくちゃにされていた。


 これまでに18回の顔面再建手術を受けた彼女は、他の人々に勇気を与え、犬の危険性に対する認識を高めるために、自分のストーリーをSNSで共有している。


 これまでに額の髪の生え際付近の皮膚を使って鼻を作り直し、左の太ももの皮膚を使って上唇を形成するなど徐々に欠損部を補ってきた。彼女はある動画で、フォロワーにこう語っている。「回復までの道のりは長いけれど、私は大丈夫……進歩している」と。


 想像を絶する怪我を負ったジャクリーンさんだが、今でも犬が好きなことには変わらず、将来は犬の訓練士になりたいと希望を述べている。しかし、「自分の動物を知り、シッターに彼らの状態を伝えられるようになることを強く求めています」とジャクリーンさんは警告している。


 ジャクリーンさんが犬たちに襲撃された家の玄関には「狂犬。ノックやベルを鳴らさないでください。代わりに電話かメールをしてください」と書かれており、飼い主は飼い犬の狂暴性を認識していたとされている。しかし、飼い主は犬をケージに入れておくとジャクリーンさんに伝えていたにもかかわらず、直前になってケージに入れていないとメールしていた。きちんと犬をケージに入れておけば事故は防げたとジャクリーンさんの父親は怒りを露わにしている。現在、ジャクリーンさんは飼い主に100万ドルの賠償金を要求しているが、飼い主らは危険性を認知していなかったとして過失を認めていない。


 ジャクリーンさんには事故以前から交際している男性がおり、彼はちょうど癌から回復したばかりだったという。今は彼の方がジャクリーンさんを支え立場になった。「この経験で私たちはより親密になったし、彼は初日から私のそばにいてくれたし、とても感謝しているわ」と、ジャクリーンさんは話している。


参考:「Daily Star」ほか

tocana

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