メガロドンは考えられているよりもスリムで細長い体型だったことが明らかに

2025年3月14日(金)20時0分 カラパイア


かつてのメガロドンの復元予想図 Photo by:iStock[https://www.istockphoto.com/jp/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88/%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%A1-gm1487421532-512908274]


 先史時代の頂点捕食者「メガロドン」は、意外にも細長くスリムな体型をしていたことが判明したそうだ。


 映画などで描かれるメガロドンはがっしりと逞しい体型だ。だが、米デポール大学を中心とした国際研究チームの研究によると、これまでメガロドンはホホジロザメのようなずんぐりした体型だと考えられていたが、もっとスリムで細長いことが分かったという。


 またこの研究からは、海の生物の体の大きさに関するとある深淵な秘密までも明らかになっている。


太古の海を支配した巨大ザメ、メガロドンの本当の姿は?


 1500万〜360万年前の海に君臨した「メガロドン(Otodus megalodon)」は、先史時代の上位捕食者としてカリスマ的な存在だ。


 シャチを数口で平らげるほどの巨体とパワー[https://karapaia.com/archives/52315446.html]があったとされるメガロドンは、映画『MEG ザ・モンスター』に登場したことで更に知名度が上がった。


 だが実のところ、メガロドンの本当の姿はよくわかっていない。


 映画などでは現代のホホジロザメを巨大にしたようなずんぐりと逞しい姿で描かれているが、メガロドンの骨格は軟骨でできていたためほとんど化石にならず、そうしたイメージは歯・椎骨・鱗といった限られた部分から推定されたものでしかない。


 大昔のメガロドンの真の姿はどのようなものだったのか?


 メガロドンに魅了され、真の姿を追い求めていた[https://karapaia.com/archives/52328974.html]、米国デポール大学の島田賢舟教授をはじめとする国際的チームは、この謎を解明するべく、現生のサメと絶滅したサメを徹底的に調べ続けている。



これまでのイメージでは、メガロドンはホホジロザメに近い体型とされていた Photo by:iStock


メガロドンの全長は発見された中で最大で24.3m


 大きな手がかりになったのが、ベルギーで発見された長さ11mのほぼ完全なメガロドンの背骨だ。


 ここから胴体の長さがわかるので、あとは頭と尾の長ささえわかれば、メガロドンの本当の全長が明らかになる。


 それを知るために、研究チームは サメの現生種145種と絶滅種20種の骨を分析し、頭・胴・尾の割合を割り出した。


 仮にメガロドンの体型もそうしたサメたちと同じだったとするなら、背骨から生前の姿を推定することができる。


 そこから想定されたメガロドンの体型は、頭と尾の長さがそれぞれ全長の16.6%と32.6%を占めるという。


 これをベルギーの11mの背骨に当てはめると、頭と尾はそれぞれ1.8mと3.6mで、そのメガロドンの全長は16.4mだったということになる。


 人間と比べるなら圧倒的に大きい。だがメガロドンとしてはどうなのだろう?


 背骨は椎骨で構成されているが、ベルギーの背骨の場合、一番大きな椎骨は直径15.5cmだ。一方、デンマークでは直径23cmの椎骨が見つかっている。


 これがそのメガロドンの背骨で最大のものだとするならば、デンマークの個体は全長24.3mだったと推定できる。


 島田教授はニュースリリース[https://resources.depaul.edu/newsroom/news/press-releases/Pages/megalodon-study-2025.aspx]で、24.3mという大きさについて、科学的な手法とメガロドンの化石から導くことができる「現時点では最大の合理的推定値」と述べている。



新たな研究で推定されるメガロドンの体型と長さ DePaul University/Kenshu Shimada[https://www.eurekalert.org/news-releases/1075419]


細長くスリムでレモンザメに近い体型


 映画のメガロドンは、現在のホホジロザメのようなずんぐりと逞しい体型で描かれている。だが、実際はもっとスリムだったのかもしれない。


 今回の研究で判明した体の各部位の割合に基づくと、メガロドンの体形はホホジロザメというよりも、ニシレモンザメに近かったと考えられるという。



レモンザメ Photo by:iStock[https://www.istockphoto.com/jp/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88/%E3%83%AC%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%A1%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%82%A4-gm1214292039-353235353]


メガロドンが細長いと考えられる理由


 このことは、海の生物のサイズに関する重大な秘密を指し示している。


 現代の海には、ジンベエザメやウバザメ、あるいはクジラの仲間など、非常に体の大きな生物が生息している。だが、そうした生物の多くはかなり細身の体型だ。


 その一方で、ずんぐりとした体型のホホジロザメは、最大でも7m程度である。


 研究チームによれば、両者にこのような違いがあるのは、泳ぎの効率が関係しているのだという。


 体が大きな生物はその分、泳ぎの効率が悪くなる。だからできるだけ泳ぎやすいようスリムな体に進化した。


 一方、ずんぐりとした体のホホジロザメは、それ以上体を大きくしては泳ぎに支障が出るために、サイズが抑えられている。


 そしてメガロドンはホホジロザメよりもずっと大きい。だからスリムな体である必要があったということだ。


 この研究は『Palaeontologia Electronica[https://palaeo-electronica.org/content/2025/5450-biology-of-otodus-megalodon]』(2025年3月付)に掲載された。


References: https://resources.depaul.edu/newsroom/news/press-releases/Pages/megalodon-study-2025.aspx

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