コスモ、大阪府吹田市と「持続可能な航空燃料の普及促進等に関する連携協定」を締結

2025年3月14日(金)11時30分 マイナビニュース


コスモ石油、大阪府吹田市、日揮ホールディングス、レボインターナショナルおよびSAFFAIRE SKY ENERGYは、持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Aviation Fuel)等の原料となる使用済み食用油(廃食用油)の資源化促進を図るため、「持続可能な航空燃料の普及促進に関する連携と協力に関する協定書」を3月12日に締結した。同日、日本初の国産SAF大規模製造設備の所在地であるコスモ石油 堺製油所内にて協定締結式を執り行った。
なお、同協定に基づいて吹田市がSAFの原料向けに提供する廃食用油は年間でおよそ2万7,000リットルを見込んでいる。これは、自治体がSAF原料に再資源化していく排出量としては、全国で最大となる見込みだ。
○【協定の趣旨】
吹田市では、吹田市一般廃棄物処理基本計画の基本施策に「多くの市民が参加しやすいリサイクルシステムの構築」を掲げており、平成21年より公共施設に廃食用油の回収拠点を設置し、行政回収を実施していた。
廃食用油はSAFの原料となる貴重な資源だが、多くの家庭では廃棄されているのが現状だ。そこで、吹田市の廃食用油回収のノウハウをいかし、誰もが利用する可能性のある航空燃料に再利用することで、市民一人ひとりが脱炭素に貢献できることを実感し、脱炭素・資源循環型社会の実現を目指す。
また、今回協定を締結した5者で緊密かつ積極的に連携・協力することで、持続可能な循環型社会の形成や脱炭素化社会に貢献する。
○【協定の主な内容】
(1)家庭から排出される廃食用油の回収に関すること
(2)廃食用油を用いたSAF等の製造及び維持継続するために必要な活動に関すること
(3)廃食用油をSAFに再資源化することを広く市民等へ情報発信する機会の提供及び普及啓発活動に関すること
(4)吹田市内における新たな回収拠点拡大のために必要な活動に関すること
(5)その他、同協定の目的を実現するために必要なこと
○【協定に基づく具体的な取り組み】
吹田市内の市庁舎や図書館をはじめとする公共施設15カ所で吹田市が回収した廃食用油をレボインターナショナルが収集。国内初のSAF大規模生産を行うSAFFAIRE SKY ENERGYのプラント(コスモ石油堺製油所内、2024年12月完工)へ運び、国産SAFの原料として資源化する。
加えて、市内35の市立小学校および14の市立保育園で排出された廃食用油もSAFの原料として活用。市内でSAFの原料向けに提供する廃食用油は合計で年間およそ2万7,000リットルを見込んでいる。併せてコスモエネルギーグループが運営する市内サービスステーション(ガソリンスタンド)での回収も検討する。
また、市民への廃食用油による資源循環の取組みを周知するため、廃食用油を持参した人へ抽選で、吹田市イメージキャラクター「すいたんグッズ」の配布やSAF製造設備見学会の招待を予定している。さらに、市内の民間事業者への周知や民間事業者と連携しての周知活動の実施を検討する。
○【SAF(Sustainable Aviation Fuel)について】
バイオジェット燃料を含む持続可能な航空燃料。原料として廃食用油、サトウキビなどのバイオマス燃料や都市ごみ等を用いて製造するもので、航空機や給油設備の変更をせずとも利用でき、製造から使用までのライフサイクル全体で約84%のCO2排出削減効果が得られる。
○【国内初のSAF大規模生産事業の概要】
コスモ石油、日揮HDおよびレボインターナショナルは、国内における廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2022年に新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立し、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指している。2024年12月にコスモ石油堺製油所(大阪府堺市)内においてSAF製造装置の建設が完了し、2025年4月頃からの供給開始を見込んでいる。供給するSAFは、国際的な持続可能性認証であるISCC CORSIA認証を取得している。なお、同事業はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)より採択を受けた助成事業となる。

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