クーペはデザインが命! メルセデスの新型車「CLEクーペ」はカッコいい?

2024年3月18日(月)11時0分 マイナビニュース

メルセデス・ベンツの新型車「CLEクーペ」が日本で発売となる。メルセデスのクーペと聞けば期待は高まるが、車名を見た限りだとどんなクルマなのかがわかりにくい。ドアは何枚? 性能はどんな感じ? デザインはカッコいい? 実物を見て詳細を確認してきた。
「C」と「E」のクーペを統合?
クーペスタイルはメルセデスがかねてから得意としてきた分野だ。2ドアクーペなら「Cクラスクーペ」「Eクラスクーペ」「Sクラスクーペ」、4ドアクーペなら「CLAクーペ」「CLSクーペ」など、豊富なバリエーションを取りそろえている。
今回のCLEクーペは車名からして4ドアクーペなのかと思いきや、実物は2ドアクーペだった。ああ、なんだか話がややこしい。
CLEクーペは「従来のCクラスクーペとEクラスクーペをひとつに統合したモデル」というのがメルセデスの説明だ。
SUVが人気の昨今、サイズがそれほど変わらないCとEのそれぞれに、販売台数があまり望めない2ドアクーペモデルをそろえておくのは、いかにメルセデスとはいえ、ちょっと厳しいかも? そう考えるのは当然の流れで、逆に集約しつつもクーペをきっちり残していこうとしたのはブランドの誇りなのだろう。
クーペといったらデザイン! CLEクーペはカッコいい?
ここからは、CLEクーペのデザインをじっくり見ていこう。
逆スラントのシャークノーズにスターパターンを採用したAシェイプのフロントグリル、吊り目のLEDヘッドライト、大きなエプロンを組み合わせたフロント部は、現行メルセデス各モデルの顔を継承している。一方で、トランクリッド後端のボディ同色リップスポイラーに向かってなだらかに下がっていくルーフライン、グイッと左右に張り出したリアフェンダー部は、2ドアクーペならではの造形だ。左右をダークレッドのトリムでつないだちょっとタレ目のリアコンビネーションが、いいアクセントになっている。後方から眺めると、ちょっと惚れ惚れするほどだ。
インテリアは12.3インチと11.9インチのディスプレイや円形のエアアウトレットなどを組み合わせた「Cクラス」ライクな雰囲気。もはや、メルセデスではおなじみの眺めだ。
フロントのスポーツシートは上方に向かってすぼまっていくような専用開発のデザインになっている。試乗車の真っ赤な本革表皮の効果もあって、スペシャル感は満点だ。
2座のリアシートもこのデザインを反復するような造形で、当然ながら頭上空間はミニマムだけれど、膝周りなどにはちょっと余裕があって、Cクラスクーペより大きなサイズ(レッグルームで56mm、肩幅で54mm拡大)になったことがわかる。ただし、Eクラスクーペが完全ピラーレスで開放感があったのに対して、CLEにはCクラスクーペと同様に太いBピラーが存在していて、後席の閉塞感を助長しているのは残念なところだ。
「MBUX」(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)は最新の第3世代を搭載。パーソナライゼーションを行えば「ハイ、メルセデス」のキーワードなしで音声アシスタントが起動するなど、利便性がアップしている。「MBUX AR(拡張現実)ナビゲーション」やユーザーの習慣に応じた「ゼロレイヤー」インターフェース、設定温度以下になったらシートヒーターをONにしたりアンビエントライトを暖かなオレンジにしたりしてドライバーの負担を減らす「ルーティン」など、新規採用を含む各種機能が車内にてんこ盛り状態だ
見掛け倒しではない! CLEクーペの走りを確認
日本で発売となるCLEクーペは「CLE200 クーペスポーツ」の単一グレード展開。パワートレインは「M254型」2.0L直列4気筒直噴ターボエンジンにISGを組み合わせたマイルドハイブリッドとなる。デビューしたばかりの新型「Eクラス」の「E200」と同じだ。
最高出力は204PS(150kW)、最大トルクは320Nm。エンジンとトランスミッションの間に配置した第2世代のISGが、短時間の電動ブーストとして23PS(17kW)、205Nmをアシストする。トランスミッションもEクラスと同じ9G-TRONICだ。
足回りは、ちょっときつめのコーナリングなどを行うと瞬時に減衰力を高める「セレクティブダンピングシステム」を標準装備。「ドライバーズパッケージ」をオプションで装着すれば、ダイナミックボディコントロール(連続可変ダンピングシステム)や「リア・アクスルステアリング」(60km/hを境に低速側で逆位相、高速側で同位相にリアホイールが最大2.5度まで動く)も堪能できる。ステアリングやESP、サウンドなどを統合制御するダイナミック・セレクトを活用すると、小回りが必要な街中からコンフォートなクルージング、さらにスポーツ走行までと幅広い走りが楽しめる。
といっても、繰り返しになるけれどもこのクルマはカッコが命。軽快な4気筒エンジンとFR駆動を感じながらゆったり、のんびり走るのが似合うし、景色のいいところでクルマをとめて、外から眺めるという楽しみ方も提供してくれるはずだ。850万円(ドライバーズパッケージやレザーエクスクルーシブパッケージなど160万円相当のオプションを装着した展示車は1,010万円)がネックにならないのなら、“買い”のクルマといっていい。
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら

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